両親が離婚している場合、遺産相続について複雑な状況になることがあります。特に、未婚の子が両親のどちらかより先に亡くなった場合、どのように遺産が分配されるか疑問に感じることもあるでしょう。この記事では、未婚の子が亡くなり、その後に父が亡くなった場合、母親がその遺産を受け取れるのかについて詳しく解説します。
基本的な遺産相続のルール
日本の法律では、遺産はまず故人の直系の相続人に分配されます。通常、第一順位の相続人は子ども、次に配偶者、そして次に故人の親や兄弟姉妹が続きます。親が亡くなった場合、その子どもが相続の権利を持つのが一般的な流れです。
しかし、子どもが親より先に亡くなった場合、その子どもの相続権は消滅します。したがって、父親が亡くなった時点で子どもが既に亡くなっている場合、通常はその子どもの配偶者や親が遺産を受け取ることはありません。
離婚後の母親に相続権はない
離婚した母親には、離婚後は元夫（父親）の遺産相続権がありません。遺産相続は婚姻関係が存続している配偶者に限られるため、仮に子どもが父親よりも先に亡くなったとしても、母親は父親の遺産を受け取る権利は持たないことになります。
ただし、遺言書があれば、父親が明示的に母親に遺産を残す意図を示すことが可能です。この場合、遺言書に従って遺産が分配されます。
代襲相続が適用される場合
子どもが父親よりも先に亡くなった場合、代襲相続という制度が適用されることがあります。代襲相続とは、亡くなった子どもの子ども（孫）が代わりに相続する制度です。つまり、孫がいる場合は、亡くなった子どもの代わりに遺産を受け取ることができます。
しかし、質問のケースでは、未婚で子どもがいないため、代襲相続は適用されません。そのため、相続権が父親の他の相続人（例えば父親の兄弟など）に移ることになります。
まとめ：母親に相続権はないが、遺言書次第で可能性はある
未婚の子どもが亡くなった後に父親が亡くなった場合、離婚した母親が父親の遺産を受け取ることは通常ありません。母親に相続権はありませんが、父親が遺言書で母親に遺産を残す意図を示せば、その場合に限り母親が遺産を受け取る可能性があります。遺産相続についての詳しい手続きや不安がある場合は、専門の法律家に相談することをおすすめします。