自己破産を申請する際、免責不許可事由に該当するかどうかは非常に重要な要素です。免責不許可事由に該当すると、裁判所が免責を認めない可能性があります。しかし、免責不許可事由に該当しても、裁判所が裁量免責を認める場合もあります。この記事では、自己破産における免責不許可事由の概要と、裁量免責が適用されるケースについて詳しく解説します。
免責不許可事由とは?
自己破産の申立てにおいて、免責不許可事由に該当する場合、原則として免責が認められません。免責不許可事由には、以下のような事例が含まれます。
- 故意に借金を作った場合
- ギャンブルや遊興費で借金をした場合
- 不正な手段で資産を隠匿した場合
これらは「免責不許可事由」として、自己破産後に債務を免除してもらえない原因となることがあります。ただし、免責不許可事由がある場合でも、裁判所が裁量免責を認めることがあるため、一概に免責されないわけではありません。
裁量免責とは?
裁量免責は、免責不許可事由がある場合でも、裁判所が債務者の生活状況や誠意を考慮して、免責を認める場合の制度です。たとえば、自己破産における裁量免責が認められる場合、以下のような要因が考慮されることがあります。
- 借金の理由がやむを得ない事情による場合
- 返済の努力が認められる場合
- 債権者と誠意を持って交渉を行った場合
裁量免責が認められるかどうかは、最終的に裁判所の判断に依存しますが、悪質な借金の取り方や債権者に対する不誠実な態度があれば、免責は難しいとされることが一般的です。
具体的なケース:詐欺による借金と返済実績
質問者のように、詐欺に遭い、他人名義のクレジットカードで購入した商品によって借金が膨らんだ場合、この状況が免責不許可事由に該当するかどうかは重要です。詐欺に遭った場合、借金を作ったこと自体が悪質とは言えませんが、他人名義のカードで購入したことは裁判所にとって慎重に判断される要素となります。
さらに、質問者が借り換えを行い、わずか5万円程度の返済実績しかない場合、裁判所はその返済の誠意をどのように評価するかがポイントとなります。裁量免責の対象となるかどうかは、借金の原因や返済の態度を総合的に判断した結果として決定されます。
裁量免責が認められる可能性
質問者が述べたように、弁護士が「もの凄く悪質ではない」と述べた場合、裁判所が裁量免責を認める可能性はあると考えられます。裁量免責は、免責不許可事由があっても、その後の債務者の態度や事情により免責が認められることがあるため、必ずしも免責されないわけではありません。
ただし、借金の金額が大きく、返済実績が少ない場合、裁判所が免責不許可を選択するリスクもあります。裁判所は、返済の意思や経済的な状況を十分に考慮した上で、免責を判断します。
免責不許可の可能性を避けるために
免責不許可事由がある場合、裁判所が裁量免責を認めるためには、債務者が誠意を持って返済の努力を行ったことや、借金の原因がやむを得ない事情によるものであることを証明することが求められます。たとえば、弁護士を通じて債権者との交渉を行い、返済計画を立てることが一つの方法です。
また、借金の原因が詐欺によるものであった場合、その状況を適切に裁判所に説明し、誠実に対応していることを示すことが重要です。自己破産を申請する際には、弁護士と十分に相談し、裁判所にとって納得のいく証拠を準備することが大切です。
まとめ
自己破産において免責不許可事由がある場合でも、裁判所が裁量免責を認める可能性はあります。詐欺による借金や返済実績が少ない場合でも、裁判所の判断次第で免責が認められることがあります。重要なのは、誠意を持って返済の努力を行い、借金の原因や状況を正確に説明することです。弁護士と十分に相談し、裁判所に納得のいく証拠を提出することで、免責不許可を避けるための道が開けるかもしれません。