養育費の取り決めをする際、調停と公正証書にはそれぞれメリットとデメリットがあります。特に、元夫がお金にルーズな場合や、費用を抑えつつ確実に形に残る方法を選びたい場合には、どちらの方法を選ぶべきか悩むことも多いでしょう。この記事では、調停と公正証書の違いを明確にし、それぞれの選択肢がどのように役立つかについて解説します。
1. 調停と公正証書の基本的な違い
調停と公正証書は、養育費の取り決めを行うための方法としてよく利用されますが、アプローチや目的が異なります。
調停は、家庭裁判所を通じて行う手続きで、第三者の調停員が間に入って、当事者間の合意を助けます。調停で決まった内容は、法的に効力を持ち、履行しない場合には強制執行が可能です。
一方、公正証書は、公証人が関与して作成する文書で、特に契約の証拠として強い効力を持ちます。養育費に関しても、公正証書に記載された内容は法的に効力がありますが、調停のように強制的な履行を促す力はないため、相手が支払わない場合には裁判が必要になる場合があります。
2. 調停を選ぶメリットとデメリット
調停は、家庭裁判所の調停員が話し合いを進め、合意を取りまとめてくれるため、個別の交渉に不安がある場合に有効です。特に、お金にルーズな相手に対しては、裁判所が介入することで、より強い法的効果を得ることができます。
ただし、調停を行うには、家庭裁判所に申し立てをする必要があり、手続きに時間がかかることもあります。また、調停が不成立の場合、次のステップとして裁判を起こす必要があることもあります。
3. 公正証書を選ぶメリットとデメリット
公正証書の最大のメリットは、法的効力を持ち、証拠として強い効力がある点です。養育費の支払いについて公正証書を作成すれば、相手が支払わない場合に強制執行が可能となります。
しかし、調停とは異なり、公正証書を作成するためには、事前に双方が合意しなければならず、その合意が得られない場合は意味がありません。また、公証人に依頼するための手数料がかかり、完全に無料で済ませることができない点も注意が必要です。
4. 費用を抑える方法と注意点
養育費を取り決める際、費用を抑えつつ確実に合意内容を形にするためには、法テラスを利用する方法もあります。法テラスでは、低所得者向けに無料または低料金で法律相談を受けられるサービスを提供しており、調停手続きや公正証書の作成に役立つ場合があります。
また、公正証書を作成する際にかかる費用についても、事前に確認しておくことが重要です。公証人への手数料は、金額によって異なるため、見積もりを取ってから決めるようにしましょう。
5. どちらを選ぶべきか？
養育費の取り決めにおいて、どちらの方法が適切かは、相手との合意のしやすさや、法的効力をどの程度重視するかによって異なります。
もし、相手が養育費の支払いに積極的でなく、将来的に強制的な支払いを望む場合は、調停を選ぶのが効果的でしょう。一方で、相手との合意が得られる場合や、速やかに取り決めを完了させたい場合は、公正証書を選択することが有効です。
6. まとめ
調停と公正証書には、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。費用を抑えつつ、確実に養育費の取り決めを行いたい場合、どちらを選ぶか慎重に判断することが大切です。
自分の状況や相手との関係性を考慮し、最適な方法を選びましょう。どちらの方法を選んだ場合でも、法的効力を持たせることが可能ですので、必ず形に残るように取り決めを行いましょう。