NHKの訪問に関して、「勝手に敷地内に入る」「インターホンを何度も鳴らす」「撮影に対して肖像権を主張する」などの行為が、法律的にどのように扱われるのか気になる方も多いでしょう。本記事では、不法侵入、迷惑防止条例、肖像権といった法律の観点から詳しく解説します。
NHK訪問は「不法侵入」に該当するのか？
まず、「NHKの訪問員が勝手に敷地内に入ることは不法侵入にあたるのか？」という点について、法律の観点から整理します。
不法侵入（刑法130条）とは、「正当な理由なく、他人の住居や敷地に侵入すること」を指します。しかし、一般的にNHKの訪問員は、「訪問勧誘」を目的として玄関先やインターホン前に立つため、「正当な理由」があるとされ、即座に不法侵入とはなりません。
ただし、以下のようなケースでは不法侵入と判断される可能性があります。
- 敷地内に勝手に入り、玄関先に長時間とどまる
- 居住者が明確に「立ち入りを拒否」したにも関わらず滞在を続ける
- 敷地内に勝手に入ってポストの中を覗いたり、ドアを開けようとした場合
インターホンを何度も鳴らすのは「迷惑防止条例違反」になるのか？
各都道府県の迷惑防止条例では、「正当な理由なくしつこく訪問する行為」は違反となる場合があります。例えば、東京都の迷惑防止条例では、以下のような行為が禁止されています。
- しつこく訪問を繰り返す
- 相手が拒否しているにもかかわらず、何度も勧誘を行う
NHK訪問員が何度もインターホンを鳴らし、住人が明確に「帰ってください」と伝えたにも関わらず繰り返し訪問する場合、迷惑防止条例違反に該当する可能性があります。
NHK訪問員が「肖像権の侵害」を主張する理由とは？
一方で、訪問の様子を録画・撮影すると、「肖像権の侵害」と指摘されることもあります。肖像権とは「個人の顔や姿を勝手に撮影・公開されない権利」を指します。
しかし、日本の法律では、以下のようなケースでは肖像権の侵害に該当しないとされることが多いです。
- 公共の場で撮影されている場合
- 報道や正当な目的のための撮影
- 個人を特定できない形で撮影されている場合
玄関先やインターホン前での撮影は、プライバシーが強く保護される自宅内とは異なり、「公共性の高い場」と見なされることもあります。そのため、「NHK訪問員が訪問時の様子を撮影されること自体」は、必ずしも肖像権の侵害にはならない場合があります。
トラブルを避けるための対策
NHKの訪問に対し、法的トラブルを回避するために以下の対応を検討することができます。
- 玄関先に「NHKお断り」のステッカーを貼る：これにより、訪問員が立ち入ることを事前に拒否できます。
- 録音・録画して対応する：過度なしつこい勧誘があれば証拠を残し、必要に応じて弁護士に相談する。
- 「お断りします」とはっきり伝える：迷惑防止条例の適用を考慮し、何度も訪問される場合は警察に相談することも可能。
まとめ
NHK訪問員が勝手に敷地内に入ることは、即座に不法侵入とはなりませんが、住民の意思を無視した行動は違法となる可能性があります。また、インターホンを何度も鳴らす行為は迷惑防止条例に抵触する恐れがあり、録画・撮影についての肖像権の主張も状況によって異なります。NHK訪問員とのトラブルを避けるためにも、法的な対応を理解し、適切な対策を講じましょう。