高速道路で歩行者をはねた場合の過失と損害賠償について

高速道路は本来、歩行者が立ち入ることを前提としていない道路です。しかし、認知症などの理由で誤って侵入してしまったケースや、自殺目的で侵入するケースもあります。運転手がそうした歩行者をはねてしまった場合、どのような過失が問われ、損害賠償が発生するのかを解説します。

高速道路で歩行者をはねた場合の過失

高速道路上で歩行者をはねてしまった場合、運転手の過失は状況によって異なります。

1. 認知症患者などの誤進入

認知症などで誤って高速道路に入り、事故に巻き込まれた場合、運転手の過失が問われる可能性があります。一般的に、高速道路を走行する車両には「前方注意義務」があるため、歩行者の存在を予見できなかったかどうかが争点になります。

2. 自殺目的の侵入

明らかに自殺目的で高速道路に飛び込んできた場合、運転手の過失は小さくなる傾向があります。例えば、遺書が残されている場合や、意図的に車道に飛び込んできた証拠がある場合には、「不可抗力」と判断されることもあります。

高速道路管理会社からの損害賠償請求

駅での飛び込み自殺と同様に、高速道路で発生した事故によって渋滞が発生し、通行止めなどの措置がとられると、高速道路管理会社が損害賠償請求をするケースがあります。

1. 誰に対して損害賠償が請求されるのか?

  • 自殺が明らかであれば被害者の遺族に損害賠償請求が行われることがあります。
  • 自殺でない場合や責任の所在が不明確な場合は、運転手側に請求が行われる可能性もあります。

ただし、遺族に対して請求を行うことは社会的な配慮の観点から行われない場合もあります。

発生する可能性のある損害賠償額

高速道路で発生する損害賠償は、以下のような要素が考慮されます。

  • 道路封鎖による営業損害(通行止めによる収益減少)
  • 交通整理や復旧作業費用(警察や道路管理会社の対応費用)
  • 遅延損害(他のドライバーへの影響)

具体的な金額はケースによりますが、数十万円から数百万円規模の請求が行われることもあります。

まとめ

高速道路で歩行者をはねた場合、運転手の過失は状況によって変わります。認知症患者の誤進入の場合、運転手の責任が問われることがありますが、自殺の場合は責任が軽減される可能性が高いです。また、高速道路管理会社からの損害賠償請求は、自殺であれば遺族へ、そうでない場合は運転手へ請求されることもあります。万が一の際には、弁護士や保険会社に相談することをおすすめします。

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