交通事故に遭い、相手が任意保険に未加入だった場合、被害者としてどのように対応すればよいのか不安に感じる方は多いでしょう。特に、10:0のもらい事故では、加害者側に全責任があるにもかかわらず、適切な補償を受けることが難しいケースもあります。本記事では、無保険の加害者との事故後の対応や請求手続きについて解説します。
追突事故の基本的な対応
事故が発生した際には、以下の対応を迅速に行うことが重要です。
- 事故の状況を記録(写真・動画・目撃者の確保)
- 警察への通報(必ず110番通報し、事故証明を取得)
- 相手の身元・自賠責保険情報の確認
- 自身が加入している保険会社への連絡
相手が無保険であっても、事故の証拠をしっかり残しておくことが重要です。
相手が任意保険に未加入だった場合の影響
加害者が任意保険に未加入の場合、被害者は通常のように損害賠償を受けることが難しくなります。そのため、以下の点に注意しながら対応する必要があります。
① 自賠責保険からの補償を活用
日本では車両を運転する際、自賠責保険への加入が義務付けられています。自賠責保険は、被害者の治療費や休業補償を一定額まで補償します。
【自賠責保険の補償限度額】
補償内容 | 限度額 |
---|---|
傷害(治療費・休業補償など) | 最大120万円 |
後遺障害 | 最大4,000万円 |
死亡時の補償 | 最大3,000万円 |
ただし、物損は自賠責の補償対象外のため、注意が必要です。
② 自費で立て替えた治療費の請求
加害者が任意保険に未加入である場合、自賠責保険の請求は被害者自身で行う「被害者請求」という手続きが必要になります。この手続きには、事故証明書や診断書、領収書などが必要です。
③ 加害者への直接請求
自賠責保険の限度額を超えた分については、加害者本人に請求することになります。しかし、加害者が支払い能力がない場合、実際に賠償を受けることが難しいケースもあります。
④ 自分の保険を活用する
被害者自身が加入している保険に、以下のような補償があれば、自己負担を軽減できる可能性があります。
- 人身傷害保険(自身の治療費をカバー)
- 無保険車傷害保険(加害者が無保険の場合の補償)
無保険の加害者への請求方法
相手が支払いを拒否する場合、以下の対応を検討しましょう。
① 内容証明郵便を送付
まず、加害者に対して正式な請求を行うために、内容証明郵便で支払いを求めます。
② 少額訴訟や民事訴訟の検討
支払いがない場合、少額訴訟や通常の民事訴訟を通じて、裁判で損害賠償を請求することが可能です。
③ 弁護士に相談
対応が困難な場合、弁護士に相談することで、適切な法的手続きを進めることができます。法テラスを利用すると、費用を抑えて相談できる場合もあります。
まとめ
追突事故で相手が任意保険に未加入だった場合、被害者が適切な補償を受けるためには、自賠責保険の請求や加害者への直接請求、場合によっては自身の保険の活用を検討する必要があります。泣き寝入りせず、しっかりと手続きを進めましょう。