離婚調停において、財産の開示は重要な課題です。特に、相手方が有価証券などの資産を開示しない場合、その取り扱いについて問題が生じることがあります。この記事では、財産開示を求める方法や、特有財産に関する争いに対する対応策を解説します。
1. 離婚調停における財産開示の基本
離婚調停では、共有財産と特有財産に分けて財産が整理されます。共有財産とは、結婚生活中に夫婦で共同で築いた財産であり、特有財産とは、結婚前や結婚中でも個別に所有していた財産を指します。調停を通じて、これらの財産がどのように分割されるかが決定されるため、両者の財産状況の正確な開示が不可欠です。
しかし、相手方が特有財産と主張し、開示を拒む場合には、その立証責任が生じます。特有財産であることを証明するための書類や証拠を求めることが重要です。
2. 財産開示を求める際のポイント
調停において財産開示を求めるには、相手方が所有する財産の範囲を明確にすることが必要です。特に、有価証券などの金融資産は、金額や場所が不明確な場合も多いため、正確な証拠を提示することが求められます。
相手方が有価証券の開示を拒否した場合、「特有財産だから開示しない」といった主張をしてきますが、この主張に対しては証明責任が発生します。具体的には、相手方に特有財産であることを証明する書類や購入履歴を提示させることが必要です。
3. 特有財産を主張する相手に対しての対応策
相手方が「特有財産だから開示しない」と主張する場合、まずはその根拠となる証拠を求めましょう。例えば、有価証券が特有財産である場合、その購入日や購入方法、元々の資金源を示す資料が必要です。
また、相手方が「家計の中で不審な支出がないか調べろ」と要求してきた場合、このような要求は不合理です。調停の場では、相手方が自分の財産を証明する責任があることを強調し、具体的な証拠を求めましょう。もし相手が証拠を提示できない場合、その財産の扱いについて不利になる可能性があります。
4. 有価証券に関する証拠を求める方法
有価証券の存在が疑われる場合、証拠を集めるためには、銀行口座の取引明細書や証券会社の取引履歴など、詳細な記録を提出させることが有効です。証券取引は通常、記録として残るため、相手方にこれらの証拠を開示させることが求められます。
特に、数百万円以上の資産が関わっている場合、取引履歴や購入証明書を提出させることで、財産が特有財産か共有財産かを明確にする手助けとなります。
5. まとめ:財産開示の重要性と適切な対応
離婚調停における財産開示は、双方の信頼関係を保つためにも非常に重要です。相手方が有価証券や特有財産を開示しない場合でも、証拠を求めることによって、正当な分割が可能になります。
財産の不正確な開示が続く場合、調停委員に報告し、法的手続きを強化することも選択肢となります。最終的には、調停の場で冷静に対応し、証拠を基にした主張を行うことが、円滑な解決に繋がります。