交通事故における示談交渉では、相手から提示された金額が自分の期待とは大きく異なることがしばしばあります。示談金の額や支払い条件が不満であれば、紛争解決センター(紛セン)を利用する方法もありますが、専門家に頼るべきか自分で交渉を行うべきか悩む方も多いでしょう。この記事では、示談交渉を進めるためのポイントと、自分で交渉を行う場合に役立つ情報について解説します。
示談交渉の流れと注意点
交通事故後の示談交渉では、まず自賠責保険の基準に基づく支払いが行われます。しかし、これが必ずしも被害者の期待する金額とは限りません。相手からの提案が不十分と感じた場合、示談交渉を進めるために交渉を行うことが必要です。
示談交渉をスムーズに進めるためには、まず事故の詳細を整理し、証拠を揃えることが重要です。また、相手側に対して自分の想定額を伝える際には、具体的な金額や理由を明確に伝えることが求められます。
紛センを利用する方法とそのメリット
紛争解決センター(紛セン)は、専門家による仲裁を受けることができる公的な機関です。示談交渉が難航した場合や相手が提案を拒否した場合に利用することができます。紛センを利用する際のメリットとして、第三者の中立的な立場からアドバイスを受けることができる点が挙げられます。
しかし、紛センを利用するためには、ある程度の準備が必要です。事故に関する資料や、医療記録、過去の示談交渉の履歴などを整理し、提出する必要があります。また、紛センを利用する前に、自分で交渉する場合の目安となる金額を把握しておくことが大切です。
自分で交渉を行う場合:計算方法と参考資料
自分で示談交渉を行う場合、傷害の程度に応じた適切な賠償金額を計算することが求められます。交通事故による傷害の賠償金額は、自賠責保険基準をもとにした「傷害慰謝料」、治療費、通院交通費、休業損害などが含まれます。これらを計算するためには、各項目に対する基準を理解することが重要です。
自分で計算を行うための参考として、インターネット上には交通事故の慰謝料計算ツールや、行政書士・弁護士によるアドバイスを受けることができるサイトがあります。これらのツールを活用し、適切な金額を導き出すことが可能です。
専門家への依頼:行政書士と弁護士の違い
示談交渉を自分で行うのが難しい場合、行政書士や弁護士に依頼することも選択肢の一つです。行政書士は書類作成や手続きの代理を行ってくれるため、裁判などの大きな対応が必要ない場合に有効です。弁護士は、裁判を含む法的な手続き全般に対応しており、賠償金額が大きい場合や、示談が難航する場合に頼るべき専門家です。
行政書士は成功報酬を取らないことが多いですが、弁護士は基本的に成功報酬を取ることがあります。弁護士に依頼することで、法的なアドバイスを受けることができますが、依頼費用を気にする場合は、行政書士を利用する選択肢も考慮する価値があります。
まとめ:自分で交渉するか、専門家に頼むかの選択
示談交渉を自分で行う場合は、傷害に対する適切な慰謝料やその他の費用をしっかり計算し、交渉を進めることが重要です。また、紛センを利用することで中立的な立場からサポートを受けることもできます。一方で、交渉が難しい場合や高額な賠償金が必要な場合は、行政書士や弁護士に依頼することも一つの選択肢です。どの方法を選ぶかは、状況に応じて判断することが求められます。