事件や事故を目撃した際に、警察へ情報提供をすることは非常に重要な市民の協力行動です。しかし、「ナンバーが曖昧だった」「人物の特徴を勘違いしていた」といったように、記憶違いによる情報提供に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、警察への情報提供が間違っていた場合にどのような対応がなされるのか、責任は問われるのか、実際の運用や注意点について詳しく解説します。
警察への情報提供は“善意”が前提
まず大前提として、一般市民からの情報提供はあくまで善意に基づく協力行為とされています。事件や事故に関する目撃情報や不審な人物、車両の特徴などを通報することは、捜査の助けになる大切な行動です。
そのため、多少の記憶違いや勘違いによって内容に誤りがあった場合でも、原則として法的責任を問われることはありません。警察も「提供された情報が正確であるとは限らない」という前提で確認作業を進めます。
記憶違いの情報でも捜査の役に立つ可能性がある
たとえナンバープレートの一部しか覚えていなかったり、色や車種を間違えていたとしても、部分的な情報が捜査の糸口になることもあります。実際に「3桁目と4桁目が“12”だった気がする」といった断片的な情報から容疑車両が特定されたケースも存在します。
重要なのは、「確実に覚えていない」ことを正直に伝えることです。推測や曖昧な記憶であることを明言すれば、警察もその情報を参考レベルとして扱うため、無用な誤解を避けられます。
もし情報が誤っていても罪には問われないのか?
結論として、過失による誤情報提供で罪に問われることは通常ありません。ただし、次のような場合は例外となる可能性があります。
- 故意に虚偽の情報を提供した(=虚偽通報)
- 捜査を妨害する目的で意図的に誤情報を流した
- 第三者を陥れる目的で偽証した
例えば「ナンバーが間違っていたかも」と後から気付いた場合でも、その時点で警察に訂正すれば問題にはなりません。むしろ、その行動は誠実な協力と受け取られます。
警察が情報提供をどう扱うのか
警察は提供された情報をすぐに鵜呑みにするわけではありません。複数の証言や物的証拠、防犯カメラ映像などと照らし合わせながら、情報の信頼性や整合性を判断します。
そのため、情報が間違っていたとしても、捜査の方向性を大きく誤らせることは基本的にありません。警察にとっても、あらゆる情報は“手がかりの一つ”であり、確証を得るまで慎重に扱うのが一般的です。
通報や情報提供で気をつけたいこと
情報提供の際には、次のような点を意識すると、より有益な通報になります。
- 「覚えている範囲」や「確信度」を明確に伝える
- 不確実な情報は“あくまで参考程度”と伝える
- 後から誤りに気付いた場合は、警察に再度連絡して訂正する
これらを守ることで、誤解を防ぎつつ、正確で役立つ情報提供が可能になります。
まとめ:不正確な情報でも誠意を持って協力すれば問題なし
警察への情報提供においては、記憶違いや曖昧な証言であっても責任を問われることは基本的にありません。重要なのは、誠意を持って事実を伝えようとする姿勢です。万が一、間違いに気付いた場合でも、訂正すれば問題にはなりません。
市民一人ひとりの情報が事件解決に繋がることもあります。不安に感じることなく、気づいたことがあれば遠慮せず警察に相談する姿勢を持ちましょう。