YouTuberによる犯罪行為の撮影とその法的問題:肖像権や盗撮罪の観点から

犯罪行為(万引きや売春、転売など)が行われているところをYouTuberが無断で撮影し、その映像をYouTubeにアップロードすることについて、どのような法的問題が発生するのでしょうか?特に、犯罪行為をしている人物の肖像権侵害や、盗撮罪、撮影罪などが関係するのではないかと考える方も多いでしょう。この記事では、YouTuberによる犯罪行為の撮影とその法的問題について、詳しく解説します。

無断撮影と肖像権の侵害

YouTubeに動画をアップロードする際、無断で撮影された映像に関しては肖像権の侵害が問題となる場合があります。肖像権とは、個人が自分の顔や姿を公開されない権利であり、一般的には個人の許可なくその姿を撮影したり公開したりすることは許されていません。

犯罪行為をしている人物が撮影され、それがYouTubeにアップロードされた場合でも、犯罪行為をしていること自体がその人物の肖像権侵害を許容するわけではありません。つまり、たとえ犯罪行為が証拠として必要であっても、その撮影には個人の同意が必要であり、許可なく公開された場合は肖像権侵害として問題になることがあります。

盗撮や撮影罪の成立条件

日本では、無断で他人を撮影することが「盗撮」や「撮影罪」に該当することがあります。盗撮罪は、他人のプライバシーを侵害する目的で、許可なく他人を撮影する行為に適用されます。特に公共の場であっても、他人の許可を得ずに撮影を行うことは法律に抵触することがあります。

YouTuberが犯罪行為を目撃してその映像を撮影する場合、その撮影行為がプライバシーの侵害に該当するかどうかが問題となります。犯罪の証拠として撮影することは許される場合もありますが、その行為が不適切であったり、被害者のプライバシーを侵害する場合は、撮影行為自体が問題視されることがあります。

証拠としての動画と公開のリスク

YouTubeに犯罪行為の映像を公開することには、大きな法的リスクが伴います。映像が証拠としての価値を持つ場合、その証拠を利用する方法として裁判所に提出することは可能ですが、無断で公開することはプライバシーや名誉権の侵害にあたる場合があります。

公開された映像が犯罪行為を証明するものであっても、無断でアップロードされたことで被害者の権利が侵害された場合、YouTuberが訴訟に巻き込まれるリスクがあります。したがって、証拠として動画を撮影する場合でも、公開せずに適切な法的手続きを踏むことが求められます。

両成敗と法的責任

質問者が指摘するように、犯罪行為を行った人物とその映像を公開したYouTuberの双方が罰せられる可能性については、法的な観点から考える必要があります。確かに、犯罪行為を行った人物は犯罪に対する罰則を受けることになりますが、無断で撮影し、それを公開したYouTuberもまた法的責任を問われることがあり得ます。

このような場合、YouTuberは肖像権侵害や名誉棄損、プライバシー侵害などで訴えられる可能性があり、動画を削除するだけでは済まされない場合もあります。犯罪行為の証拠を公開することが、かえって自らの法的責任を問われる結果になり得る点を十分に理解しておくことが重要です。

まとめ:犯罪行為の撮影と公開には慎重な対応が求められる

YouTuberが犯罪行為を目撃し、その映像をYouTubeに公開する行為には、肖像権やプライバシー権の侵害、そして盗撮罪や撮影罪の問題が関わります。たとえ証拠としての価値があったとしても、無断で撮影し公開することは法的なリスクを伴うため、慎重な対応が求められます。

もし犯罪行為を証拠として提供する場合、法的手続きに則り、公開する前に適切な方法で証拠を提出することが重要です。YouTubeなどの公開媒体を利用する際は、そのリスクと責任を十分に考慮し、合法的な手段で対応することが求められます。

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