クラウドファンディングを通じて購入した製品が不良品だった場合、「これは詐欺では?」「返金してもらえるの?」と不安になる方も少なくありません。特に保証期間内にもかかわらず、対応が不誠実だったり、的外れな指示ばかり続くと、法的手段を検討する方も出てきます。本記事では、製品不良時の正当な対処法と、少額訴訟という現実的な手段について、具体的に解説します。
クラファン購入品はクーリングオフの対象外?
まず前提として、クラウドファンディング(Makuakeなど)で購入した製品は、特定商取引法の「通信販売」に該当しないケースが多く、クーリングオフ制度は適用されません。
しかし、商品が明らかに故障していたり、説明と著しく異なる場合は、民法の「契約不適合責任」に基づき、販売者に対して修理・交換・返金等を求めることができます。
不誠実な対応にどう向き合うべきか
保証期間内であるにもかかわらず、動画を見ずに判断されたり、ナンバープレートを曲げるなど法律的に問題のある指示がされた場合、それは消費者の正当な権利が侵害されている可能性があります。
記録(メール、LINE、問い合わせ履歴)を全て保存しておき、やりとりが一方的または不誠実であることを証明する準備が必要です。
少額訴訟という選択肢|金銭トラブルの現実解
損害額が60万円以下であれば、少額訴訟制度を利用することが可能です。これは通常の民事訴訟より簡易かつ迅速で、原則1回の期日で結論が出るという大きなメリットがあります。
対象となる損害には、以下が含まれます。
- 購入代金
- 保証が効かないことによる損害
- 自賠責や登録費などの付随費用
少額訴訟は最寄りの簡易裁判所で手続きでき、弁護士なしでも可能です。訴状の作成にあたっては、国の裁判所ウェブサイトに雛形があります。
訴訟を有利に進めるための準備ポイント
勝訴を勝ち取るには、次のような証拠が重要です。
- 製品の不具合を示す動画・写真
- 販売者とのメール・チャット履歴
- ナンバーを曲げるなどの指示内容
- 支払い証明(領収書・銀行明細など)
また、口コミサイトやレビューで同様の被害が多発している場合、悪質性を補強する材料として提出するのも有効です。
事前に消費生活センターにも相談しておくと、「事前の交渉努力をした」証拠として扱われることもあります。
訴訟以外にできる対処法は?
裁判は最終手段ですが、次のような選択肢も検討できます。
- 消費生活センター(188)へ相談:行政機関として事業者に是正勧告を出すことも可能。
- 内容証明郵便で催告:返金や交換を求める正式な意思表示を文書で残せます。
- SNSやレビューで注意喚起:他の被害者と連携することで、改善が促される場合も。
ただし、名誉毀損などにならないよう、事実の範囲で客観的に発信するよう注意しましょう。
まとめ:少額訴訟は費用対効果の高い正当な手段
クラウドファンディングで不良品が届き、かつ販売者が誠実に対応しない場合、少額訴訟は非常に有効な手段です。裁判費用も数千円程度で、返金や損害賠償を請求するための現実的なルートとして活用されています。
泣き寝入りせず、まずは証拠を集め、段階的に交渉・法的対応を進めていきましょう。被害者であるあなたには、正当な権利があります。