夜間に外出していたところを警察に補導された――そんな経験が初めてだと、頭が真っ白になる方も少なくないでしょう。特に「親や学校に連絡がいくのか?」「何か記録が残るのか?」といった不安は強くなりがちです。この記事では、未成年が深夜徘徊などの理由で補導された際の基本的な流れや、連絡の有無、今後の影響についてわかりやすく解説します。
補導とは?逮捕や犯罪歴とは異なる行政対応
まず押さえておきたいのは、「補導」はあくまで警察による保護・指導の一環であり、逮捕や犯罪歴とはまったく別の扱いだということです。補導は少年(概ね18歳未満)が深夜に出歩いたり、非行の恐れがある行動をとった場合に、警察がその子を保護し、適切な指導を行う制度です。
つまり、記録は残っても刑事処分ではなく、社会的な不利益を受けるような扱いでは基本的にありません。
深夜徘徊で補導された場合の警察の対応の流れ
深夜に外出している未成年を警察が見つけた場合、以下のような流れで対応が進むのが一般的です。
- 1. 名前・住所・生年月日などの確認:本人確認のため、身分に関する情報が聞かれます。
- 2. 保護のための事情聴取:なぜ外出していたのか、家族の状況や学校名なども確認されます。
- 3. 原則として保護者への連絡:帰宅の安全を確保するため、保護者への連絡が行われることがほとんどです。
- 4. 状況によって学校にも通知:特に問題行動が複数回ある場合や非行性が強いと判断された場合には、学校への連絡が行われる可能性もあります。
ただし、初回の補導で目立った問題がなければ、家庭内での指導にとどまるケースが多く、学校へ通知されないこともあります。
学校への連絡は必ず行われるのか?
補導されたからといって、すぐに学校に連絡がいくとは限りません。実際には、警察官の判断や補導された地域の方針によって対応が異なります。
例えば、初めての補導で、暴力や薬物などの問題行動がなかった場合は、「今回は家庭で注意してください」として終了することも珍しくありません。一方、再三の補導や非行傾向がある場合には、学校への報告や児童相談所への通告につながるケースもあります。
補導歴は将来に影響する?
警察による補導記録は、内部的に管理される「非行歴」として一時的に残る場合がありますが、それが履歴書に記載されるような『前科』とは異なります。よって、就職や進学に直ちに悪影響を与えるものではありません。
ただし、補導歴が繰り返されたり、重大な問題に発展した場合は、将来的に警察の重点指導対象となることもあるため、同じことを繰り返さないように注意することが大切です。
家族への対応と今後の行動
親への連絡については、未成年である以上ほぼ確実に行われます。驚かせてしまうことはあっても、正直に状況を話し、反省の気持ちを示すことが最も誠実な対応です。
「今回は無事でよかった」「次からは気をつけようね」と話し合いで終わる家庭がほとんどです。深夜外出のリスクや、警察が動く理由を理解し、家族ときちんと向き合うことが信頼回復の第一歩です。
まとめ:初回の補導は指導目的。冷静に受け止め、次に活かすことが大切
深夜徘徊による補導は、犯罪ではなくあくまで保護の一環です。1回目であれば、親への連絡は行われても学校に通知されない可能性も高く、記録が将来に悪影響を及ぼすことも基本的にはありません。
不安や焦りがあるのは当然ですが、重要なのは「もう一度同じことを繰り返さないこと」です。今回の出来事をきっかけに、家庭や学校との信頼関係を見つめ直す機会と捉えてみましょう。