ネット通販詐欺に引っかかる心理と防止策:なぜ人は信じてしまうのか

インターネット通販が日常化した現代でも、「あまりに安すぎる価格」に釣られて商品を注文してしまい、結果として詐欺被害に遭うケースが後を絶ちません。たとえば10kgで4,250円の国産米が1,275円という破格で表示され、送料込みで20kgを4,050円で購入したものの、商品は届かず、連絡も取れない……そんな事例が実際に起こっています。

なぜ人はネット詐欺に引っかかってしまうのか

人は理屈ではなく“感情”で判断する傾向があります。特に「得したい」「今買わないと損するかも」という心理が働くと、冷静な判断が難しくなります。詐欺業者はこの心理を巧みに突いてきます。

また、商品画像やレビュー、サイトの作りが一見“本物っぽい”と、人は「大丈夫だろう」と自己判断してしまいがちです。加えて「日本人は親切」「詐欺に遭うのはよほどの不注意な人」などという根拠のない思い込みも、油断を生みます。

典型的な詐欺サイトの特徴

  • 価格が相場より極端に安い
  • 支払い方法が銀行振込またはクレジット決済のみ
  • 会社情報が曖昧・偽名義
  • 問い合わせ先がフリーメールや不通
  • 日本語表現に不自然さや誤字が多い

特に最近はAI翻訳などを用いて巧妙に作り込まれた海外の詐欺サイトも増えており、見た目では判断しづらくなっています。

「引っかかる方が悪い」は本当か?

ネット詐欺は加害者が100%悪い行為です。被害者側に「注意不足」があったとしても、被害者を責める風潮は二次被害を生みかねません。誰しもが騙される可能性があるという前提で、情報リテラシーを高めることが重要です。

また、「救済を求めるのは甘え」といった意見もありますが、詐欺被害は個人の損失にとどまらず、社会的損失にもつながるため、被害の報告や相談は正当な行動です

被害に遭った際にやるべきこと

  • 速やかにクレジットカード会社に連絡して決済停止を依頼
  • 消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談
  • 必要に応じて警察に被害届を提出
  • 被害の詳細をスクリーンショットで記録する

返金がされるかは状況次第ですが、泣き寝入りせず行動を起こすことが、被害拡大を防ぐ第一歩です。

詐欺サイトを見抜く力をつけるために

普段からネットリテラシーを高めるために、信頼性の高い通販サイトを利用する、独自ドメインやSSL対応の有無を確認する、怪しい日本語表現に注意するなど、複数の観点から「疑う目」を持つことが大切です。

また、同じ商品を複数のサイトで比較する習慣を持ち、「相場から大きく外れていないか」を常に意識しましょう。

まとめ:人は誰でも詐欺に遭う可能性がある

ネット通販詐欺は決して他人事ではなく、誰もが被害者になる可能性をはらんでいます。重要なのは、「自分は大丈夫」という思い込みを捨て、常に冷静に判断する姿勢を保つこと。そして万が一被害に遭った際は、正当な手続きを通じて声を上げることが、自分の権利を守る行動となります。

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