インターネット上で知り合った外国人が突然亡くなり、見知らぬ弁護士から「あなたに遺産を相続させたい」という内容で連絡が来るケースが増えています。特に銀行口座の情報提供を求められた場合には、冷静かつ慎重な対応が求められます。
よくある遺産相続詐欺の手口とは
この手の詐欺は「遺産相続詐欺(Inheritance Scam)」と呼ばれ、海外では非常に多く報告されています。詐欺師は架空の弁護士や銀行員、外交官などを装い、「あなたに遺産がある」と連絡をしてきます。
日本でも増加傾向にあり、SNSや出会い系サイトを通じて知り合った外国人からの「突然の死」と「遺産譲渡」をセットにした手口が多く見られます。
銀行口座を教えると起こりうるリスク
銀行口座の情報を知られるだけでも以下のような被害につながる可能性があります。
- 口座をマネーロンダリングに悪用される
- 身元情報が犯罪ネットワークに流通する
- 勝手に金融機関の引き落としに使われる
- 詐欺グループによる振込詐欺や名義貸しへの勧誘
また、手数料名目で送金を求められるなど、金銭被害に発展するケースも報告されています。
実際にあった事例
ある女性はSNSで知り合った外国人男性が事故死し、その弁護士から「あなたに遺産がある」と連絡を受けました。信じた女性は口座情報を伝え、手数料として数万円を複数回にわたって送金。結果的に100万円以上の被害となり、警察に相談しましたが、送金先が海外だったため返金は難航しました。
見分けるポイントと正しい対応
以下のような要素が見られる場合は、詐欺の可能性が高いです。
- 遺産の話が突然出てくる
- 相手をよく知らない、付き合いが浅い
- 弁護士や代理人がフリーメールアドレスを使っている
- 金融情報を早急に求めてくる
- 手数料・税金の先払いを求める
こうした連絡が来た場合は、返信せず放置するか、国民生活センターや警察のサイバー犯罪窓口に相談しましょう。
万が一口座情報を伝えてしまったら
既に銀行口座情報を伝えてしまった場合には、ただちに次の対応を行ってください。
- 銀行に連絡し、事情を説明して監視または口座の一時凍結を依頼
- 振込などの履歴があれば保存し、警察に相談
- 今後の詐欺防止のため、情報の拡散や警戒喚起に協力
まとめ
「遺産がもらえる」という甘い話には、詐欺が隠れている可能性が非常に高いです。特に、身に覚えのない遺産話や、短期間のやり取りしかしていない相手の突然の死といった不自然な展開には要注意です。大切な個人情報を守るためにも、安易に口座情報を教えるのは絶対に避け、少しでも不審に感じたら専門機関に相談しましょう。