交通事故や労災事故などで後遺症が残った場合、「後遺障害等級認定」によって損害賠償の金額が大きく左右されます。しかし、初回の認定で納得できない結果が出た場合、異議申し立てをすることで等級が変更される可能性もあります。本記事では、異議申し立ての流れや結果が出るまでの期間、注意点などを詳しく解説します。
後遺障害等級の異議申し立てとは?
異議申し立てとは、保険会社や自賠責保険調査事務所によって下された等級認定に対して不服を申し立て、再審査を求める制度です。主に以下のようなケースで行われます。
- 認定された等級が妥当でないと感じる
- そもそも非該当(等級なし)と判断された
- 医師の診断書や検査結果が適切に評価されていない
異議申し立ては無料で行えますが、専門的な知識や資料の準備が重要になるため、弁護士や行政書士に相談する方も多くいます。
異議申し立ての結果が出るまでの期間
一般的に、異議申し立ての結果が出るまでには3ヶ月から6ヶ月ほどかかるとされています。ただし、審査に必要な資料の不備や内容の複雑さによって、さらに長引くこともあります。
たとえば、追加の医療資料や画像診断結果が必要なケースでは、保険会社や調査機関とのやりとりが複数回にわたることもあります。したがって、提出前の準備が非常に重要です。
異議申し立てで等級が変更される可能性
異議申し立てを行っても、必ずしも等級が上がるとは限りません。しかし、実際に非該当から等級認定されたり、低い等級から高い等級へ変更された事例も多数あります。成功のカギは、医学的根拠に基づいた客観的な資料を揃えることです。
具体的には、MRIやレントゲン画像、神経学的検査結果、日常生活への影響を記録した医師の診断書などが重要な証拠となります。
異議申し立ての流れと必要書類
- 初回の等級認定結果を受け取る
- 異議申し立ての意志を保険会社に伝える
- 必要書類の収集(診断書、画像、意見書など)
- 異議申し立て書類を保険会社または自賠責調査事務所に提出
- 再審査の開始(審査期間:おおよそ3〜6ヶ月)
- 結果の通知
自分ひとりでの対応が不安な場合は、交通事故に強い弁護士への相談が効果的です。
まとめ
後遺障害等級の異議申し立ては、結果が出るまでに3〜6ヶ月ほどの時間がかかることが一般的です。ただし、適切な準備と資料の提出によって、等級が変更される可能性も十分にあります。不服な認定を受けた場合でも諦めず、専門家の力を借りて再審査に臨むことが重要です。