交通事故に遭ったとき、特に信号待ちなどで被害者側に過失がないケースでは、損害賠償をしっかり受け取ることができます。しかし、初めての事故で示談や慰謝料、休業補償のことが分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、加害者に100%過失があるケースを前提に、被害者が受け取れる補償の種類とその相場、実際の示談交渉のポイントを初心者向けに詳しく解説します。
交通事故で受け取れる補償の種類
被害者が請求できる主な損害賠償には、休業損害、治療費、通院交通費、慰謝料などがあります。これらは自賠責保険や任意保険でカバーされ、加害者側の保険会社を通じて支払われるのが一般的です。
特に通勤や仕事中の事故では労災保険との併用も可能で、状況に応じて支払い先が異なる点に注意が必要です。
休業補償(休業損害)は給料の代わりになる?
事故によって仕事を休まざるを得なくなった場合、休業損害として失われた収入を請求できます。これは、サラリーマンだけでなく、自営業者やパート、アルバイトでも対象です。
具体的には、「事故前3ヶ月の平均月収÷30×休業日数」で計算されることが多く、たとえば月収30万円で10日休んだ場合、10万円程度の補償が見込まれます。証明には、給与明細や休業証明書が必要になります。
慰謝料の金額と相場の目安
慰謝料とは、交通事故により受けた精神的苦痛への賠償です。自賠責保険では、通院1日につき4,300円という基準があり、実通院日数と治療期間に応じて支給額が決まります。
例として、通院3ヶ月(実通院45日)の場合、4,300円×45日=19万3,500円が支払われる計算です。ただし、任意保険基準や弁護士基準になると金額が上がるケースもあります。
治療費や通院交通費は全額もらえる?
原則として、交通事故による治療にかかった費用は全額請求可能です。病院の診療費のほか、通院時の交通費(電車・バス・タクシー代、ガソリン代など)も含まれます。
ただし、過剰な治療や必要性の乏しい通院は否認される可能性があるため、医師の診断書と通院記録をしっかり残しておくことが大切です。
示談交渉の流れと注意点
交通事故後の示談交渉は、相手方保険会社とのやりとりで進められます。示談書には、一度サインすると追加請求ができない「清算条項」があるため、内容をしっかり確認してから署名する必要があります。
補償額に納得がいかない場合は、交通事故に強い弁護士への相談も検討しましょう。初回相談無料や着手金無料の事務所も増えており、交渉によって数十万円以上増額されるケースもあります。
実例:100%被害者のケースで得られた補償
ある会社員の例では、信号待ち中に追突され、3ヶ月の通院と10日の休業を経験。結果的に、
- 休業損害:12万円
- 慰謝料:22万円
- 治療費:全額(約8万円)
- 交通費:5千円
が支払われ、総額42万円以上の補償を受け取ることができました。
このように、しっかりと証拠と記録を残していれば、必要な補償はしっかり受け取れます。
まとめ:泣き寝入りせず正しい知識と行動を
交通事故は突然のことで戸惑いますが、正しい知識と適切な手続きでしっかり補償を受けることが可能です。給料の補償(休業損害)や慰謝料、医療費などは適切に請求し、納得できる形で示談を締結しましょう。
不安な場合は、保険会社任せにせず、弁護士や交通事故に強い専門家への相談を活用することが重要です。