駐車場や店舗から道路に出る際、自転車と接触してしまう事故は少なくありません。特に歩道を通行中の自転車との接触事故では、車側の過失が重く見られる傾向があります。この記事では、歩道を走っている自転車と、店などの敷地から出る車が衝突した場合の過失割合や判例傾向、事故後の対応ポイントについて解説します。
基本的な過失割合の考え方
一般的に、店や駐車場などの私有地から道路へ出る車と歩道を通行中の自転車が接触した場合、車側の過失は70〜80%程度とされることが多いです。これは、出庫車両には「一時停止・安全確認義務」が課せられており、自転車を含む歩道の通行者に最大限の注意を払うべきとされているためです。
ただし、自転車側がスピードを出していたり、夜間で無灯火だったりした場合、相応の過失が認定されることもあり、車70:自転車30程度の割合で収まるケースもあります。
自転車が歩道を通行している場合の合法性
道路交通法では原則として、自転車は車道通行が義務ですが、13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、身体障害者や道路標識により許可されている場合には歩道走行が認められています。
また、道路標識で「自転車歩道通行可」が設置されている歩道であれば、自転車の歩道通行は合法となります。したがって、自転車が歩道を走っていたからといって、必ずしも自転車側に違反があるとは限りません。
過失割合の例:判例をもとに解説
過去の判例では以下のような判断が下されたケースがあります。
- 出入口で徐行せずに出た車 vs 歩道を直進していた自転車:車80%・自転車20%
- 自転車が無灯火・逆走:車70%・自転車30%
- 歩道が狭く、車の進入が困難な状況:過失割合に考慮される可能性あり
つまり、自転車側に重大な過失がある場合でも、車側の責任がより重くなる傾向があります。
事故後に確認すべきこと
事故発生後は、まず警察への連絡と事故証明の取得を行いましょう。その後、保険会社を通じて過失割合の交渉を進めることになりますが、相手方が自転車の場合、任意保険に未加入のケースもあります。
また、現場の状況をスマートフォンなどで記録しておくと、後の交渉や裁判での証拠として有効です。
まとめ
歩道を走る自転車と、店から出る車の事故では、出庫車両側に70〜80%の過失が認定されることが一般的です。自転車側の挙動によっては割合が調整されることもありますが、基本的には車側の安全確認義務が重視されます。事故後は冷静に対応し、証拠を残しておくことが重要です。