近年、SNSを通じた副業勧誘による詐欺被害が急増しています。「今すぐ稼げる」「初期費用だけでOK」といった甘い言葉で契約を迫られ、後からトラブルになるケースも少なくありません。この記事では、クレジット決済で契約してしまった後に気づいた場合でも可能なクーリングオフの手続きや、被害を最小限に抑える具体的な対処法について解説します。
クーリングオフ制度とは?SNS副業にも適用されるのか
クーリングオフとは、一定の契約について消費者が一定期間内であれば無条件で解約できる制度です。たとえば、訪問販売や電話勧誘販売に該当する契約では8日以内であれば解除可能です。
SNS経由で「電話での説明→契約」という流れは、電話勧誘販売にあたる可能性が高く、クーリングオフの対象になることがあります。契約書にクーリングオフの文言が記載されている場合、その旨に基づいて正式に書面で通知することが重要です。
クーリングオフを拒否されたらどうする?無視された場合の対応
クーリングオフ通知を出しても、悪質な業者は「あなたの勝手だ」「返金できない」といった対応をしてくることがあります。しかし、内容証明郵便や特定記録郵便で送付した証拠があれば、法的には通知が有効です。
業者からの返答がなくても、そのクーリングオフ通知をもって契約は解除されたと主張できます。その後はクレジットカード会社に対し支払い停止の抗弁を行うのが有効です。
クレジットカードで支払った場合の救済措置
特定商取引法に基づき、訪問販売や電話勧誘販売などで契約した商品やサービスに問題があった場合、クレジットカード会社に対して「支払い停止の抗弁」を申し立てることが可能です。
申立てには次の情報が必要になります。
- クーリングオフ通知のコピー
- 契約書・電子契約画面のスクリーンショット
- 相手業者とのやり取りの記録(メール・電話・LINEなど)
カード会社が内容を審査し、問題が認められれば支払い停止や返金対応がなされる可能性があります。
警察に相談するタイミングと注意点
「まだ被害が確定していない」と思って警察への相談をためらう方も多いですが、詐欺の疑いがある契約については、迷わず相談すべきです。
ポイントは、「お金を騙し取られた」と感じる合理的な根拠や証拠があること。たとえば、次のような場合には詐欺の可能性があります。
- 虚偽の説明で契約させられた
- 返金に応じる姿勢が一切ない
- 事業実態が不明確または存在しない
最寄りの警察署の生活安全課や、サイバー犯罪相談窓口に連絡しましょう。証拠が多ければ多いほど対応してもらいやすくなります。
消費者センターの役割と二次被害防止のポイント
すでに相談された消費生活センターは、法的判断や代理交渉は行えませんが、制度や手続きに基づいた適切なアドバイスを受けられる大切な窓口です。
また、以下の点も再確認しておきましょう。
- 契約書・利用規約の保存
- 業者の所在地や連絡先の把握
- 相手と直接の交渉は控え、記録を残す
万が一、返金に応じない、追加の請求が来るなどの問題が発生した場合には、弁護士や法テラスの無料相談を活用するのも有効です。
まとめ
SNSをきっかけに始まる副業トラブルでは、契約直後に「やっぱり怪しい」と気づくことも珍しくありません。しかし、クーリングオフの通知を正しく行い、証拠を揃えて対処すれば、被害を最小限に抑えることが可能です。カード会社への支払い停止や警察・弁護士への相談をためらわず、冷静に対応していきましょう。「泣き寝入り」はせず、まずは行動することが解決の第一歩です。