カーシェアリングサービスの利用において、事故時の対応とペナルティは多くの人にとって気になるポイントです。特にタイムズカーシェアでは、事故が重なった場合の「会員資格取り消し」や「修理費の実費請求」に関する規定が設けられており、その中の「複数回事故を起こした場合」という表現に疑問を感じる方も多いようです。本記事では、その意味と運用の実態について解説します。
公式に記載されている事故時の取り扱いとは
タイムズカーシェア公式サイトでは、事故発生時の会員資格や費用請求について以下のように定めています。
- 2年以内に「全損および車両大破による自走不能事故」を2回起こした場合 → 会員資格取り消し+修理費実費請求
- 2年以内に「複数回の事故」を起こした場合 → 会員資格停止または取り消し+修理費実費請求の可能性あり
一見すると、どちらも似た内容ですが、「複数回」の基準が曖昧で、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
なぜ「2回」ではなく「複数回」と表現されるのか
この表現があいまいに見えるのは、事故の内容や状況によって柔軟に判断したいという運営側の意図があるためです。たとえば、軽微な擦り傷や接触が3回発生している場合と、明らかな運転過失による接触が2回というケースでは、前者の方が件数は多くてもリスクは低いと判断される可能性があります。
つまり、「複数回」とすることで、機械的な判断ではなく、事故の性質・頻度・対応の誠実さなどを総合的に評価できる余地を残していると考えられます。
軽微な事故でも2回目で実費請求される?
軽い接触や目立たない擦り傷であっても、事故報告を行った場合は「事故」として記録され、会員情報上は事故回数としてカウントされます。ただし、その都度必ず実費請求が発生するとは限りません。
タイムズカーシェアでは通常、初回の事故については修理費を免責とし、2回目以降で事故内容に応じて判断するという運用がなされている傾向があります。特に、無申告や虚偽報告のような不誠実な対応がなければ、軽微な事故で即座に厳罰とはなりにくいようです。
「無事故距離のリセット」とは何か
無事故距離とは、事故やトラブルを起こさずにカーシェアを利用した距離の累計です。これが長いと、免責補償サービスが割引になるなどのメリットがあります。
事故対応を行うと、たとえ損傷がなかった場合でも無事故距離はリセットされる仕組みになっており、これは運営が「事故リスクの履歴」として慎重に扱っている証です。リセットはペナルティではなく、記録上のステータス変更と考えるとよいでしょう。
再び事故を起こさないために意識したいこと
不安を感じたまま運転するのではなく、以下のような対策でリスクを抑えた利用を心がけましょう。
- 夜間や狭路など、視認性が悪い環境での利用を避ける
- 出庫時・返却時に車体を丁寧に確認する
- 車幅感覚に不安がある場合はコンパクトカーを選ぶ
- 駐車場での出入りは慎重に。切り返しを躊躇しない
安全運転を徹底することが、結果的に「無事故距離」の維持にもつながります。
まとめ:曖昧に見える「複数回」は柔軟な判断のための表現
「複数回事故を起こした場合」という表現は、回数だけでなく事故の性質や対応の誠実さを総合的に判断するためのものです。軽微な事故でも、2回目以降で自動的に実費請求されるとは限りません。
ただし、事故が記録されること自体はリスクとなるため、2年以内に再び事故を起こしたくないと考えるのは合理的な判断です。不安がある場合は利用頻度を控えるか、安全が確保できる場面での運転を意識しましょう。