人身事故と過去の違反が重なった場合の免停リスクとは?点数制度の仕組みと判断基準を徹底解説

交通事故を起こしてしまった場合、加害者側として最も気になるのが「免許停止になるのか?」という点でしょう。特に過去に交通違反歴があると、「それが影響して免停になるのでは」と不安になる方も多いと思います。本記事では、交通違反や人身事故による累積点数の扱い、免停の基準、実況見分の意味など、加害者となった際の行政処分リスクについてわかりやすく解説します。

運転免許の点数制度の仕組み

日本の運転免許制度では、交通違反や事故を起こすと「違反点数」が加算され、一定の点数に達すると免許停止(免停)や取り消しなどの行政処分が科されます。

主な処分基準:

  • 過去3年以内に違反歴がない → 6点で免停(30日)
  • 1回の軽微な違反(3点以下)のみ → 9点で免停
  • 違反歴あり(1年以上) → 4点以上で免停

したがって、過去の違反履歴と事故時の点数の合計が、免停ライン(最低でも4〜6点)を超えるかが焦点となります。

人身事故で加算される点数はどのくらい?

人身事故の点数は、被害者のけがの程度や加害者の過失の度合いによって変動します。主な基準は以下の通りです。

  • 軽傷事故(加療15日未満・入院なし)→ 3点
  • 中程度のけが(加療15日以上30日未満)→ 6点
  • 重傷事故(加療30日以上)→ 9点以上

さらに、事故原因が重大な交通違反(信号無視、速度超過、酒気帯び等)であれば加点されます。実況見分の結果や被害者の診断書によって、実際の点数が決定されます。

過去の違反が影響するのか?右折禁止違反の扱い

質問者が指摘している「右折禁止違反」は、通常2点が加算される違反で、この違反から6か月以上無事故・無違反が続いた場合、点数はリセットされます(累積加算されない)

たとえば、2023年12月に違反してから、事故までに6か月以上が経過していれば、この過去の2点は無効になります。逆に6か月未満であれば、過去の違反点数も含めて判断されます。

免停になる可能性を左右する要素

免許停止となるかどうかは、以下の点が総合的に考慮されます。

  • 事故の重大性(被害者のけがの程度)
  • 事故の原因(過失割合や信号無視などの違反)
  • 違反歴と点数の累積状況
  • 実況見分の内容と最終報告書

例えば、被害者が打撲程度で軽傷であり、直近6か月以上違反がなければ、免停に至らない可能性も十分あります。

実況見分とは?事故後に行われる調査の意味

人身事故が発生した場合、警察による「実況見分」が行われます。これは事故現場にて、加害者と被害者の供述をもとに事故状況を再現し、過失の程度や原因を明らかにするための重要な手続きです。

この結果をもとに行政処分(点数)や刑事処分(略式命令など)が判断されるため、誠実かつ事実に基づいて説明することが非常に重要です。

まとめ:免停の可能性は「事故の重さ」と「過去の違反」が鍵

過去に交通違反があったとしても、6か月以上の無違反期間があれば点数はリセットされます。そのため、人身事故による新たな点数だけで免停基準に達するかどうかが、判断材料となります。

事故の被害が軽度であれば免停に至らない可能性もありますが、最終的には警察の判断や実況見分の内容により変動します。不安な場合は行政書士や弁護士に相談し、適切な対応を取る準備をしておくと安心です。

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