交通事故で通院が続くと気になるのが慰謝料の金額と、その計算方法です。特に腰椎・頚椎捻挫などむち打ち症状での長期通院は珍しくありません。この記事では、通院50日間での自賠責慰謝料の目安、計算方法、そして金額に納得できない場合に弁護士へ相談すべきかどうかの判断基準について詳しく解説します。
自賠責保険における慰謝料の計算方法
交通事故の被害者に対する慰謝料は、まず自賠責保険基準によって最低限の金額が支払われます。通院慰謝料は以下の計算式で算出されます。
1日あたりの慰謝料:4,300円
計算式:通院実日数 × 4,300円
ただし、「通院実日数 × 2」と「実通院期間(日数)」を比較して少ない方が採用されます。
例えば、2/9〜6/9の4カ月間(約120日間)で50日通院した場合の計算は以下の通りです。
- 通院実日数:50日
- 通院期間:約120日
- 通院日数×2=100日 < 120日 → 採用日数:100日
- 慰謝料:100日 × 4,300円 = 430,000円
つまり、自賠責基準では430,000円が上限となります。
慰謝料の種類と基準の違い
実は慰謝料の基準は1つではなく、以下の3つの基準が存在します。
- 自賠責基準:最低限の補償(1日4,300円)
- 任意保険基準:保険会社独自の基準。一般に自賠責とほぼ同等またはそれ以下。
- 弁護士(裁判)基準:最も高額で、裁判例に基づく基準(例:通院1日あたり7,000~8,000円)
つまり、同じ50日通院でも、弁護士基準では約50万〜60万円の慰謝料が認められる可能性があります。
金額に納得がいかない場合の判断基準
保険会社から提示された慰謝料額に納得がいかない場合、まず確認したいのが以下の点です。
- 計算が自賠責基準か、任意保険基準か
- 通院日数・治療内容と照らして妥当か
- 後遺障害の有無
明らかに低いと感じた場合、弁護士に相談することで裁判基準での交渉が可能になります。
弁護士相談のタイミングと費用
示談提示後に弁護士へ相談するのが一般的です。最近では、「弁護士費用特約」がある場合、費用を保険でカバーできるため、自己負担ゼロで依頼できます。
特約がない場合は成功報酬型が多く、慰謝料が増額された分から一定割合(15%〜30%程度)を支払う形になります。
例:弁護士により100,000円増額 → 成功報酬30%で30,000円の報酬
相談先の選び方と準備すべき書類
交通事故に強い弁護士を選ぶには、「交通事故」「慰謝料交渉」など専門分野を明示している事務所がおすすめです。準備すべき書類は以下の通り。
- 診断書・通院履歴
- 事故証明書
- 保険会社からの書類(示談書案など)
- 入通院領収書・休業損害明細(該当者)
事前にメールや無料相談を活用し、リスクなく相談できる事務所を選びましょう。
まとめ
交通事故による通院が50日間あった場合、自賠責基準の慰謝料は最大43万円前後です。しかし、弁護士基準ではこれ以上になる可能性もあり、金額に納得できないと感じた場合は相談を検討して損はありません。特に弁護士費用特約がついていれば、無料で交渉を任せられるケースもあります。正当な補償を受けるためにも、自分にとって最適な対応を考えましょう。