相続登記を進める際、「土地の登記名義人が父ではなく祖母のままだった」というケースは意外と多く見られます。このような場合、まずは祖母から父への相続登記を経て、父から現在の相続人への登記を行う必要があります。この記事では、その手続きの流れと必要書類について詳しく解説します。
1. 相続登記の基本:登記名義人が祖母のままの場合
登記簿上の所有者が祖母であるということは、祖母の相続登記が未了であるということです。つまり、祖母→父→現相続人という二段階の相続登記を行う必要があります。これを「数次相続」と呼びます。
相続人が誰であるかを正確に把握するためにも、家系図を作成し、相続関係説明図にまとめることが重要です。
2. 祖母→父の相続登記に必要な書類
- 祖母の戸籍一式:出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍含む)
- 父の戸籍謄本:祖母の死亡時に存命であったことを示す
- 法定相続情報一覧図(任意):法務局で無料で取得可能。提出書類を簡略化できます。
- 遺産分割協議書(任意):他の相続人がいる場合、遺産分割が必要
- 相続人の印鑑証明書:協議書に実印を押す場合に必要
- 祖母名義の不動産の登記簿謄本と固定資産評価証明書
3. 父→あなた(現相続人)の相続登記に必要な書類
- 父の戸籍一式:出生から死亡までの連続した戸籍
- あなたの戸籍謄本:父との親子関係を証明
- 父の住民票の除票または戸籍の附票:最終住所の確認用
- 遺産分割協議書:他の相続人がいる場合は必要
- 相続人全員の印鑑証明書:実印押印の証明として
- 不動産の固定資産評価証明書:登録免許税の算出に使用
4. 登記申請の流れ
1. 祖母→父の相続登記を申請
2. 登記完了後、父→あなたの相続登記を申請
この2つを一括で申請することも可能ですが、書類が煩雑になりやすいため、司法書士のサポートを受けることをおすすめします。
5. 登録免許税の計算と費用
登録免許税は、不動産の固定資産評価額の0.4%が原則です。たとえば評価額が1,000万円であれば、4万円の税金が発生します(各相続登記ごとに発生)。
司法書士に依頼する場合、報酬として5〜10万円程度が相場です。
まとめ
土地の登記名義人が祖母のままの場合、祖母から父、父から現相続人への二段階の相続登記が必要です。各段階で戸籍や協議書など複数の書類を揃える必要があり、登記の専門知識も求められます。早めに準備を進めるとともに、必要に応じて司法書士の専門サポートを受けることで、スムーズな手続きを実現しましょう。