最近、「イッツコムの者です」と名乗る業者が突然訪問し、BSアンテナ線の取り付けを勧められたという相談が増えています。特に高齢の方が対応した場合、名刺や書面の控えを渡されず、NHKの受信料契約まで迫られるケースもあるようです。この記事では、そうしたケースが詐欺にあたる可能性や、家族が取るべき対応について詳しく解説します。
訪問業者によるBSアンテナ工事とNHK契約の関係
BS放送を見るためには、BSアンテナの設置および対応チューナーが必要です。そして、BS受信が可能になると、NHKの衛星契約が必要になる場合があります。これはNHKの受信規約に基づくものですが、あくまで「視聴できる状態にある」ことが条件です。
今回のように、業者が「線をつけるだけで見られるようになる」として工事をし、同時にNHK契約を促す行為は、合法であっても“誤認を誘導”するようなグレーゾーンである可能性があります。
詐欺かどうかを見極めるポイント
以下の点を確認することで、詐欺行為であるか否かの判断材料になります。
- 名刺や身分証を提示されたか
- 事前説明や契約書のコピーを渡されたか
- NHK契約が義務であるかのように誤認させていないか
- 事業者名や連絡先が明記されているか
これらが曖昧な場合は、悪質な業者や詐欺の可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
母親が契約書を読まずにサインしてしまった場合の対応
もし契約書にサインしてしまった場合でも、消費者契約法により「クーリングオフ」が可能なケースがあります。
クーリングオフは、訪問販売などで契約した商品・サービスを、8日以内であれば無条件で解除できる制度です。契約日や書類の交付日から起算するため、なるべく早く行動を起こすことが重要です。
具体的には、以下の対応が推奨されます。
- 業者に対し書面で契約解除を通知する(内容証明郵便が有効)
- NHKに連絡し、契約の意思がなかったことを伝える
- 必要なら消費生活センターに相談(電話188)
通話料や追加請求への不安について
訪問業者から「電話すればいい」と言われても、不安に感じる方も多いと思います。一般的に、NHKふれあいセンター(0120-151515)は通話料無料ですが、契約業者の連絡先がフリーダイヤルでない場合は注意が必要です。
また、「電話をかけたら追加で請求される」という話は、正規業者ではまずありえません。もしそのような請求が来た場合は、詐欺の可能性が高いため、速やかに最寄りの警察や消費者センターに相談してください。
安心のために家族でできるサポート
高齢のご家族が突然の訪問に対応しなければならない状況は、非常にストレスフルです。家族としてできることは。
- 訪問業者とのやり取りは家族が同席するようにする
- NHK契約やサービス変更は家族に相談してから行うよう伝える
- 不明な契約書は絶対に一人でサインしないようアドバイスする
また、今回のようなケースは、内容を覚えているうちに記録し、早めに相談することが解決への第一歩です。
まとめ
突然の訪問で「BSの線をつけましょう」と提案され、結果としてNHK契約も迫られた場合、詐欺である可能性も否定できません。しかし、合法的な契約であっても、クーリングオフや相談機関の活用で対処は可能です。
お母様の不安を早期に和らげるためにも、NHKや消費生活センターに事実を確認し、必要なら契約解除を申し出ることをおすすめします。冷静に情報を整理し、慎重な対応を心がけましょう。