ガードレールへの接触と警察への未連絡は免停になる?運送業ドライバーが知っておくべき道路交通法のポイント

運送業に従事する方にとって、日常の運転中に起こる軽微な接触事故は他人事ではありません。中でも、警察に連絡を忘れたまま現場を離れたことで“当て逃げ”として扱われるケースは少なくなく、結果として免許停止処分につながることもあります。本記事では、ガードレールとの接触事故で警察に連絡しなかった場合に問われる責任と、免停になるかどうかの判断基準を詳しく解説します。

物損事故でも「報告義務違反」となる可能性がある

道路交通法第72条には、交通事故を起こした者は「直ちに警察官に報告しなければならない」と規定されています。これは人身事故に限らず、物損事故にも適用されます。

今回のようにガードレールという公共物に接触した場合、それが軽微な傷であっても、所有者(多くの場合は国や自治体)が存在するため、報告が必要とされます。報告を怠ったことで「事故不申告」となり、違反点数は5点が加算される可能性があります。

「当て逃げ」=ひき逃げではないが、行政処分の対象に

俗に言う「当て逃げ」は、正確には「事故報告義務違反」「救護義務違反」などに分類されます。今回のように人身被害がなく、物損のみの場合はひき逃げではありませんが、報告義務違反や道路の損壊に対する責任が問われる可能性があります。

行政処分上は違反点数5点がつくと、過去の違反歴や点数累積により免停の可能性が生じます。違反点数の合計が6点を超えると、30日間の免許停止の対象になります。

警察署に出頭する際の心構えと対応

警察から出頭を求められた場合は、落ち着いて対応しましょう。以下のポイントが重要です。

  • 誠実に事実を説明する(気が動転していたことも含め)
  • 事故現場の状況や経緯を具体的に説明できるように整理
  • ガードレールの損傷を確認できる情報があれば持参
  • 会社にも事前に経緯を説明し、同席できる上司がいれば相談

なお、正直な申告が処分を軽減させる要因になる場合もあります。

過去の違反歴によっては免停に至ることも

違反点数5点が加算された場合でも、それ単体で即座に免停となるわけではありません。しかし、もしこれまでにスピード違反や信号無視などの違反が累積している場合、6点以上となれば免停となります。

特に職業ドライバーは「違反累積」が命取りになりかねないため、日頃からの安全運転と冷静な事故対応が重要です。

今後のために意識しておきたい事故対応マニュアル

事故に遭った際、以下のステップを常に意識しましょう。

  1. 安全な場所に停車し、二次被害を防ぐ
  2. 被害の有無を確認し、警察へ連絡(物損でも)
  3. 必要に応じて保険会社へも報告
  4. 現場の写真や記録をスマホで保存

たとえ「大した事故ではない」と思っても、法的には“通報義務”がある点は忘れてはいけません。

まとめ:小さな事故でも報告は必須。誠実な対応が信頼を守る

ガードレールとの接触事故で警察に連絡しなかった場合、当て逃げや事故報告義務違反として扱われ、違反点数が加算される可能性があります。ただし、誠意をもって対応すれば、過度な処分を避けられることもあります。運送業ドライバーとしての信頼を守るためにも、事故時の冷静な対応と法令知識を備えておくことが何より重要です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール