NHKの受信料について、契約はしているが支払いをしていない場合、どのような法的リスクがあるのか気になる方も多いでしょう。本記事では、受信料未払いの影響や対処法について詳しく解説します。
NHK受信契約の法的義務と支払いの位置づけ
放送法第64条第1項では、NHKの放送を受信できる設備を設置した者は、NHKと受信契約を締結する義務があると定められています。しかし、契約を締結していない場合でも、NHKは民事訴訟を通じて契約を強制的に成立させることが可能です。
一方、受信料の支払いは、契約に基づく義務であり、契約を締結していない場合には支払い義務は発生しません。ただし、契約を締結しているにもかかわらず支払いを怠ると、法的措置の対象となる可能性があります。
受信料未払いによる法的措置の可能性
NHKは、受信料の未払いに対して、民事訴訟を提起することがあります。実際に、未払い者に対して支払督促や訴訟を行い、判決が確定すると、強制執行によって財産の差し押さえが行われることもあります。
例えば、2016年9月時点で、NHKは未契約世帯に対して190件の民事訴訟を提起し、そのうち32件でNHKの請求を認める判決が確定しています。
時効の援用による支払い義務の軽減
受信料の支払い義務には5年の消滅時効が適用されます。契約を締結している場合、未払い期間が5年を超えている分については、時効の援用をすることで支払い義務を免れることが可能です。
ただし、契約を締結していない場合には、時効の援用ができず、テレビの設置日からの全額を請求される可能性があります。
未契約者に対する割増金制度の導入
2023年4月から、NHKは未契約者に対して割増金制度を導入しました。これは、受信設備を設置していながら契約を締結していない場合、通常の受信料に加えて割増金が課される制度です。
この制度により、未契約者は過去の受信料に加えて、割増金を支払う義務が生じるため、早期の契約締結が推奨されます。
受信料の免除制度について
NHKは、一定の条件を満たす場合に受信料の免除や減額を行っています。例えば、生活保護を受けている方や、障害者手帳を所持している方などが対象となります。
免除や減額を希望する場合は、所定の手続きを行い、必要書類を提出することで申請が可能です。
まとめ
NHKの受信料について、契約を締結しているにもかかわらず支払いを怠ると、法的措置の対象となる可能性があります。未払い期間が5年を超えている場合は、時効の援用によって支払い義務を軽減できる場合もありますが、未契約者には割増金制度が適用されるため、注意が必要です。
受信料の支払いに不安がある場合は、免除制度の活用や、専門家への相談を検討しましょう。