交通事故で相手の過失が100%（いわゆる10対0）の場合、原則としてこちらに過失はありません。しかし、相手が任意保険を使わず、自費で支払うと主張している場合、修理代以外の費用（代車代、示談金、慰謝料など）をどう請求するかは悩ましいポイントです。この記事では、直接交渉の進め方や注意点、スムーズな解決のために役立つ情報をわかりやすく解説します。
10対0の事故でも交渉は慎重に行うべき
まず、相手が過失を認めているとはいえ、保険を使わないというのはリスクがある対応です。今後の支払いが滞ったり、連絡が取れなくなる可能性もゼロではありません。
そのため、できるだけ書面での合意を残し、可能であれば弁護士や交通事故に詳しい第三者の立ち会いを検討することが重要です。
修理代以外に請求できる費用とは
事故によって生じる損害には修理代だけでなく、以下のような費用も請求可能です。
- 代車費用：修理期間中に代車を使用した場合
- 休業損害：営業車両などで仕事に支障が出た場合
- 慰謝料：精神的苦痛に対する補償（物損事故でも一部例あり）
- レッカー代や移動費：事故後の処理にかかった実費
これらは領収書や見積書、使用日数の記録など証拠を残すことで、請求に説得力を持たせることができます。
相手と直接交渉する際のコツ
相手と話すときは、冷静に次のような流れで進めるのが望ましいです。
- 修理代の見積もりを提示し、支払い期日を明確に伝える
- 代車利用がある場合、その理由・期間・金額を説明
- 「これらを含めて一括で解決したい」と丁寧に伝える
- 会話内容は録音し、LINEやメールで書面記録も残す
「示談書」の作成は必須です。示談書には支払額・内容・支払期日・今後のトラブル防止の条項などを明記しましょう。
示談書のポイントと無料テンプレート
示談書を自作する際には、以下の内容を盛り込みましょう。
- 事故の日時・場所・当事者情報
- 支払われる金額と内訳
- 支払方法・期日
- 今後、追加請求や争いを起こさないことの確認
無料テンプレートは「交通事故 示談書 テンプレート 無料」などで検索すると、弁護士監修の信頼できる様式をダウンロードできます。
相手が誠実に対応しない場合の選択肢
もし相手が連絡を無視したり、支払いを拒んだりした場合は、次の手段を検討しましょう。
- 内容証明郵便で請求書を送付
- 簡易裁判所への少額訴訟（60万円以下の請求）
- 交通事故弁護士への相談（初回無料のところも多い）
また、ご自身が自動車保険に「弁護士特約」を付帯していれば、弁護士費用が保険でカバーされる可能性があります。契約内容を確認してみましょう。
まとめ
相手が保険を使わない場合でも、修理代以外の費用は法的に請求可能です。直接交渉は慎重に行い、書面での示談書作成を忘れずに。証拠を残すことがトラブル回避につながります。誠実な対応が得られない場合は、法的手段や弁護士相談も視野に入れましょう。