近年、ウーバーイーツや出前館などのフードデリバリーサービスが普及する中で、配達中の事故に関する保険の取り扱いに悩む方も増えています。特に「ファミリーバイク特約」など家族向けの任意保険に加入している方にとって、業務中の事故が補償対象となるかどうかは非常に重要な問題です。
ファミリーバイク特約とは何か?
ファミリーバイク特約とは、自家用車の任意保険に付帯できるオプションで、125cc以下の原動機付自転車(原付)による事故について補償を受けられる制度です。多くの場合、自転車の運転者が家族であれば補償対象になりますが、重要なのはその使用目的です。
この特約は通常、私的利用(通勤・通学・買い物など)を前提としています。よって、ウーバーイーツなど営利目的での使用中に発生した事故は、補償対象外となる可能性が高くなります。
業務使用と保険の関係性
任意保険や特約には「業務使用は対象外」と明記されているケースがあります。これは、業務中のリスクは通常の走行より高く、保険会社がそのリスクを別途想定していないためです。
実際に事故の際「配達中だった」と伝えると、多くの保険会社では免責(保険金不支給)となる判断を下します。嘘の申告をして保険金を受け取った場合、後日「保険金詐欺」に該当するおそれもあるため、必ず事実を正直に伝えることが大切です。
業務使用に対応した保険に加入すべき理由
ウーバーイーツを含む配達業務で原付を使用する場合は、「業務用バイク保険」やウーバーが提供する「包括保険(損害賠償責任保険など)」に加入しているかどうかが重要です。
たとえば、ウーバーイーツでは、配達中に発生した第三者への損害に対する保険が適用されますが、これはウーバーのシステム上で配達状態になっている間に限られます。自損事故や車両損傷などには別の任意保険が必要です。
事故後の保険会社への伝え方と流れ
- 事故発生時は、まず警察に通報して事故証明を取る
- 保険会社へは「いつ、どこで、どういう状況で起きたか」を正直に伝える
- 配達中だったことも含めて申告し、補償範囲の確認を行う
ここで虚偽の申告をして保険金が支払われた場合、のちに不正が判明すれば重大な責任を問われる可能性があります。誠実な対応が結果的に自分を守ることになります。
配達業務を行うなら見直したい保険の種類
以下の保険を検討するとよいでしょう。
- 業務用バイク保険:配達中の事故をカバー
- 個人賠償責任保険:加害事故に対する備え
- ウーバー提供の保険制度:アプリ内で適用範囲の確認が可能
一見費用がかかるように思えますが、いざというときの備えとして非常に有効です。
まとめ
ファミリーバイク特約は私用向けであり、配達中の事故は補償対象外となる可能性が高いです。保険会社には正確な情報を伝え、故意に隠すことは絶対に避けましょう。今後も配達業務を続けるなら、業務用に対応したバイク保険への加入を検討することが、自分と他人を守るうえで不可欠です。