インターネット上には魅力的な記事やブログが数多く存在します。情報収集や個人の学習のために、それらを印刷したりダウンロードしたりすることも多いでしょう。しかし、この行為は著作権法の観点から見て問題ないのでしょうか?本記事では、著作権に関する基本的な考え方と注意すべきポイントについて解説します。
著作権法が保護するものとは?
著作権法は、創作された文章・画像・音楽などに対して、その創作者に一定の権利を認める法律です。ブログ記事やコラムなども、その内容が創作性を有していれば、著作物として保護されます。
つまり、他人が書いたブログ記事は、原則として著作権が発生しており、その内容をコピーする、転載するなどの行為は制限されます。
私的利用の範囲なら許される?
著作権法第30条では、著作物を「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」で使用する場合、複製が認められています。たとえば、以下のようなケースは基本的に問題ありません。
- 自宅で読むためにブログ記事を印刷する
- 学習のためにPCに保存しておく
ただし、その範囲を超える場合(たとえば、学校や塾で生徒に配布する、SNSにアップロードするなど)は、著作権侵害となる可能性があります。
商用利用や再配布はNG
たとえ無料であっても、他人の書いた記事をコピーして配布したり、ブログに転載したりする行為は原則として許されていません。また、印刷したものを配布することも「公衆への譲渡」にあたる可能性があり、著作権者の許可なしには行うべきではありません。
注意すべき点は、営利目的でなくても「公衆への提供」や「送信可能化」が行われると違法となることがある点です。
引用との違いに注意しよう
「引用」は著作権法で認められた例外ですが、適切な方法で行う必要があります。たとえば、以下の条件を満たすことが求められます。
- 引用部分が明確に区別されていること
- 出典が明記されていること
- あくまで引用が補足的で、自らの主張が主となっていること
これを守らず、無断転載のような形で使うと、著作権侵害になる可能性があります。
事例:知らずに違反してしまうパターン
たとえば、ある旅行ブログの記事をPDF化して友人にメールで送った場合、たとえ善意であっても「複製」と「公衆送信」に該当し、違法とされる可能性があります。個人で印刷して読むだけなら許容される範囲ですが、第三者に渡す行為には注意が必要です。
まとめ:私的利用ならOK、共有・転載は慎重に
インターネット上のブログや記事を印刷・保存すること自体は、私的利用の範囲であれば著作権法に違反することはありません。しかし、他人と共有したり、再利用したりする場合には法律の制限がかかるため、著作権者の許可を取ることが大切です。知らなかったでは済まされないケースもあるため、日頃から著作権への理解を深め、適切な利用を心がけましょう。