自宅に駐車中の車に自転車がぶつかったという事故は意外と多く、運転者がいないため過失はなくても、保険や補償のやり取りに戸惑う方が少なくありません。特に「修理せずに現金で受け取りたい」と希望するケースでは、保険会社との交渉が重要になります。本記事では、その流れや金額の取り扱いについて詳しく解説します。
駐車中の車にぶつかられた場合の過失割合
基本的に、駐車中の車にぶつかった場合、動いていない側(車側)に過失はありません。そのため、今回のように車が自宅敷地内に停まっていて自転車が接触した場合、原則として自転車側の全責任となります。
ただし、車の停め方に問題があった場合(道路にはみ出していた、通行を妨げていた等)は過失割合に影響が出る場合もあります。
修理しなくても保険金は受け取れるのか?
自動車保険では、修理しない場合でも「修理費相当額」を現金で受け取ることが可能です。これを「現金受取」または「示談金支払い」と呼びます。
ディーラーで発行してもらった見積書を保険会社に提出し、それをもとに損害額の算定が行われます。問題がなければ、その金額が支払われる流れとなります。
消費税は引かれるのか?
修理を実際に行う場合、保険金は「税込価格」で支払われますが、修理を行わない場合は消費税分が支払われない可能性が高いです。
たとえば見積書に39,600円(税込)の記載があっても、保険会社が支払うのは36,000円(税抜)となるケースがあるため、見積内容の内訳に注意が必要です。
今後の流れと必要な手続き
以下のような手順で保険金の受け取りまで進みます。
- 見積書を保険会社に提出(PDFや郵送)
- 保険会社側で確認後、必要に応じて鑑定人による現車確認
- 示談内容の書類が届き、サイン・返送
- 指定口座へ振込(通常1〜2週間)
自転車側が個人賠償責任保険(火災保険や自転車保険に付帯)に加入していれば、そちらを通して支払いが行われます。
トラブルを防ぐための注意点
以下のポイントを押さえておくことで、支払いトラブルを避けることができます。
- 見積書はできるだけ詳細かつ信頼性の高い業者から取りましょう(ディーラー推奨)
- 消費税が含まれているかを確認し、説明が必要であれば保険会社に事前に相談を
- 相手保険会社とのやり取りはメールなど記録が残る方法が望ましい
また、相手側が保険未加入だった場合は、自費対応になるため、話し合いが必要です。
まとめ:現金受取は可能だが事前確認がカギ
駐車中の車に自転車がぶつかった場合、原則として車側に非はなく、修理せずとも見積額に基づいた保険金を現金で受け取ることが可能です。ただし、消費税分が差し引かれる場合がある点には注意が必要です。
スムーズに進めるためにも、正確な見積書と記録を用意し、保険会社との連携を丁寧に行いましょう。万一納得がいかない場合には、交通事故相談センターなど第三者機関の活用も視野に入れてください。