自作の路線図をレポートに使う際に知っておきたい著作権と参考資料の書き方

鉄道や都市交通の研究・分析を行う際、自作の路線図を使いたくなることがあります。しかし、参考にした情報が鉄道会社や地図サービスに由来する場合、その扱い方や著作権への配慮が求められます。本記事では、自作の図版を安全に活用するために必要なポイントを解説します。

参考にした路線図や地図の著作権について

鉄道会社が公開している路線図や、Yahoo!地図のような地図サービスは、その提供元に著作権があります。たとえ画像を直接使用しなくても、それを元にした図を作成する際には「二次的著作物」と見なされる可能性があります。

たとえば、JR東日本の公式サイトで公開されている路線図をベースに、自分で描いた路線図であっても、著作権の影響を受ける可能性があるため、十分な注意が必要です。中には商用利用や転載を制限している会社もあります。

自作の図が著作権侵害になるケースとは?

著作権侵害にあたるかどうかの判断は、「独自性」が鍵です。例えば、デザインや配色、駅名の配置、図の構成などが元の図と酷似していると「依拠性がある」と見なされることがあります。

逆に、データを基にしつつも、駅の選定や配色、構図を独自に再構成している場合には「創作性」が認められることがあります。このような場合は著作権侵害に当たらない可能性が高まりますが、明確な基準があるわけではありません。

レポートなどに使う場合の参考資料の書き方

学術レポートや論文で図を用いる場合、元にした資料を明記することが大切です。以下のように記載するとよいでしょう。

【参考文献・出典例】

  • JR東日本「路線図」https://www.jreast.co.jp/map/(参照日:2025年5月)
  • Yahoo!地図(https://map.yahoo.co.jp/)(参照日:2025年5月)

また図のキャプションには「※図は参考資料を基に筆者が作成」と記載しておくと、第三者にも分かりやすいです。

自作路線図を使用する際の注意点

学術目的での使用(学校提出のレポートなど)であれば、著作権法の「引用の要件」や「私的使用の範囲」に収まる可能性が高いため、大きな問題になることは稀です。ただし、次の点を守るようにしましょう。

  • 参考にした資料を明示する
  • オリジナルの図として過度に主張しない
  • 商用利用(ブログ、出版物など)には十分な配慮をする

公開されている資料が「転載不可」と明示している場合は、たとえ自作であっても注意が必要です。

図作成ソフトの選定と著作権上の配慮

アイビスペイントXのようなソフトで図を描くこと自体に問題はありませんが、元図との類似性を避けるよう配慮し、あくまで「自分の表現」としての再構成が求められます。

可能であれば、鉄道路線データをオープンデータ(OpenStreetMapなど)から取得し、構成・デザインを自分でアレンジするのも良い方法です。

まとめ:自作路線図の使用は慎重に、参考資料の記載を忘れずに

自作の路線図は、参考資料の明示と著作権への配慮を守れば、学術目的での使用においては有効な手段となります。参考にした情報の出所を記載し、自身の創作であることを明確に伝えることで、より安心して活用できます。

不安がある場合は、対象の鉄道会社やサービス運営元に問い合わせるのも一つの手段です。正しい知識で、安全な情報発信を心がけましょう。

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