同棲解消に伴って発生する費用トラブル、とくに「違約金」に関する問題は、感情的な別れの直後に起きることが多く、冷静に判断できないケースも少なくありません。本記事では、同棲解消時の違約金支払いの妥当性や返金の可能性について、法律的な視点を交えて解説します。
同棲における契約の立場と責任分担
同棲時の賃貸契約の内容は、名義人や連帯保証人の有無などによって状況が変わります。契約書の名義人が元彼であり、かつ彼の都合で契約を途中解約した場合、基本的に違約金の支払い義務は元彼にあります。
しかし、同棲において費用を折半していたり、非名義人であっても口頭での合意や生活実態がある場合、「事実婚に近い関係」とみなされることもあり、責任が曖昧になりがちです。
違約金を支払わされた場合の取り戻しの可否
一方的に違約金を支払わされた場合でも、それが不当であったと判断されれば、法的には「不当利得」として返還請求が可能です。民法第703条に基づき、相手が不当に利益を得たと認定されれば、支払った側は返金を求めることができます。
具体的には「相手の都合で引っ越しが必要になったこと」「当時支払いに反対した証拠(LINEのやり取りや録音など)」があると、取り戻せる可能性が高くなります。
実際にあった類似ケースと対応方法
たとえば、東京都在住のAさんは、同棲解消時に相手の都合で引っ越しを余儀なくされ、違約金を支払いました。しかし後日弁護士に相談し、メールのやり取りなどを証拠として提出したことで、相手方に返還請求を行い、約10万円の返金に成功しました。
このように、証拠と経緯の整理が重要になります。
泣き寝入りを防ぐための相談先
違約金トラブルで不安がある場合、法テラスや地域の弁護士会による無料法律相談を活用するのが効果的です。法的なアドバイスを受けることで、感情的なもつれからくるトラブルを整理し、正当な権利を主張する道が開けます。
また、少額訴訟制度(60万円以下)を利用すれば、比較的簡易な手続きで返還請求が可能です。
まとめ:感情よりも事実と証拠で判断しよう
同棲解消時の違約金を支払う必要があったのかは、契約の内容や引っ越しの理由、支払いの経緯によって判断されます。納得できない支払いであっても、泣き寝入りせずに法的な手段で取り戻せる可能性は十分にあります。
まずは証拠を集めて状況を整理し、専門家に相談することをおすすめします。自分の権利を守るために、冷静に行動を起こすことが最も大切です。