交通事故が起きた際、「保険を使わずに修理したい」という選択をされる方も少なくありません。とくに過失割合が2:8のようにある程度の責任を負う立場であっても、自己負担で処理したいというケースがあります。この記事では、保険を使わずに修理を進めたい場合に相手から過失割合に応じた費用を請求できるのか、実際の対応や注意点について詳しく解説します。
過失割合とは何か？
交通事故では、警察の現場検証や保険会社の協議により「どちらにどの程度の責任があるか」を過失割合として数値化されます。たとえば「2:8」は、自分が2割、相手が8割の責任を負うということを意味します。
この割合に応じて、損害賠償責任の割合も決まり、加害者（過失割合が大きい側）は被害者に損害の一部を補償する義務があります。
保険を使わなくても過失割合は適用される
過失割合はあくまで法律上の損害賠償責任を示すものであり、保険を使うか使わないかに関係なく成立します。したがって、双方が保険を使わない場合でも、相手に対して8割分の修理費を請求することは法的に可能です。
ただし、保険会社が介入しないため、相手との直接交渉が必要になり、トラブルが生じることもあるため注意が必要です。
相手に修理費用を請求する手続き
保険を使わずに相手に修理費用の一部を請求するには、次のような流れで対応するのが一般的です。
- 修理見積書を用意する
- 相手方に過失割合（例：8割）分の金額を提示
- 合意が得られたら支払い方法（現金・振込など）を決める
- 必要であれば覚書や合意書を作成する
相手が拒否した場合は、民事訴訟（少額訴訟含む）を起こして請求することも可能ですが、手間やコストがかかるため事前の交渉が重要です。
実例：自己修理を希望したケース
たとえば、自分に2割の過失がある事故で、相手の修理費が10万円だったとします。この場合、相手はあなたに2万円分の修理費を請求できる一方、あなたも自分の車の修理費が8万円だったとすれば、相手にその8割分（6万4千円）を請求可能です。
このように、お互いが保険を使わずとも、民事上の損害賠償請求権としてのやり取りは成立します。
注意点：自己責任とリスク
保険を使わない対応には次のようなリスクもあるため、慎重に判断しましょう。
- 交渉がこじれると関係が悪化する
- 相手が支払わない場合、自費で訴訟を行う必要がある
- 第三者（保険会社など）の仲裁がないため、感情的な問題になりやすい
可能であれば、弁護士を通じた示談交渉や、法テラスの無料相談などを利用するのもおすすめです。
まとめ
過失割合が2:8の接触事故であっても、保険を使わずに修理費用を請求・支払いすることは可能です。保険を使わないことによるメリット（等級ダウンの回避など）もありますが、相手との交渉や支払いリスクには十分注意が必要です。
正確な情報をもとに行動し、必要に応じて専門家の力を借りることが、トラブル回避のポイントとなります。