車を運転していると、軽い接触や小さなへこみなど、思いがけない物損事故に遭遇することがあります。その際に「修理しなければいけないのか？」と悩む方は少なくありません。この記事では、物損事故における修理の義務や判断基準、実際の対応方法について解説します。
物損事故の修理義務は法律で定められている？
結論から言えば、物損事故によってできた軽いへこみやキズについて、修理する義務は法律では定められていません。自分の車であれば、修理するかどうかは所有者の自由です。
ただし、事故の相手がいる場合には事情が異なります。相手の所有物に損害を与えた場合、民法上の損害賠償責任が発生し、原状回復（修理や買い替え）を求められることがあります。
修理をしないとトラブルになるケースとは
事故によるへこみが軽微であっても、保険請求や損害賠償の観点から、相手側が修理を希望する場合は応じなければならないことがあります。特に、タクシーやレンタカーなど業務用車両であれば、見た目の傷でも業務に影響を与えるとして請求される可能性があります。
逆に自分の車だけが傷ついた場合や、相手と合意のうえで「修理不要」という取り決めがあるならば、必ずしも修理する必要はありません。
保険会社に相談すべきタイミング
修理するか迷ったら、まずは保険会社に連絡しましょう。事故報告を怠ると、後にトラブルが生じた際に補償が受けられなくなる可能性があります。
例えば、自分の車の修理を車両保険で対応するか、相手の車の修理を対物保険でカバーするか、専門的な判断が必要になるため、プロの意見を仰ぐのが賢明です。
実際の事例から見る判断基準
あるドライバーは、ショッピングモールの駐車場でバック時に支柱に接触し、リアバンパーにへこみを作ってしまいました。走行には問題がなかったため、修理を見送った結果、車検時に査定額が下がることに。後に売却時に数万円の減額となりました。
別のケースでは、へこみを放置したことで塗装の剥がれから錆が進行し、結果的に修理費が高くなったという事例もあります。
修理するかどうかの判断ポイント
- 事故の相手がいるか（自損か対物か）
- 車の走行に影響があるか
- 見た目の損傷の程度
- 保険の使用可否と等級ダウンの影響
- 今後の売却や査定への影響
これらを総合的に判断することで、修理の必要性を見極めることができます。
まとめ：軽微なへこみでも冷静な対応を
軽い物損事故であっても、修理の要否は状況によりけりです。自己判断だけで動くのではなく、相手の有無や保険会社の意見、自身の今後の車の利用計画などを加味して判断するのが望ましいです。
無理に修理する必要はありませんが、将来的なリスクや損失も含めて、冷静に対応することが重要です。