駐車場などの私有地で起きた軽微な事故で、相手車両にごくわずかな接触をしてしまった際、相手からの連絡がないまま日が過ぎてしまうことがあります。今回は、そういった場面でどのように対応すべきかを、法的視点と円満解決のためのポイントを踏まえて解説します。
まず確認すべき事故の状況と警察対応
事故が私有地（例えば店舗駐車場）で起きた場合でも、物損事故として警察への報告は必要です。既に警察に届け出をしている場合は「事故証明書」の発行対象になります。今回のように、相手も後日警察で手続きをしたことで、公式に事故として記録されたことになります。
物損事故で相手が無人だった場合、まずは誠意を見せて謝罪・補償の意思を伝えることが重要です。この時点での連絡手段が警察経由で一方通行になってしまうのは珍しいことではありません。
相手から連絡が来ない場合に取るべき行動
警察から相手の連絡先を伝えられたということは、「今後は当事者同士で解決してください」という意味です。つまり、こちらから連絡を入れるのが妥当な対応です。
放置してしまうと、「誠意がない」「無視している」と受け取られ、後々の話し合いがこじれる可能性があります。常識的なタイミングで一度連絡を入れ、「先日はご迷惑をおかけしました」と丁寧に謝罪しつつ、今後の対応について確認しましょう。
相手が高額な修理を要求してくる可能性は？
軽微な傷でも、相手によってはディーラーなどで高額な見積もりを提示してくるケースがあります。そのような場合でも、保険会社に連絡して「実際に必要な補償範囲」を判断してもらうことができます。
実際の事例では、バンパーのごく小さな擦り傷に対し、全面交換の見積もりが出されたものの、保険会社が妥当性を検証して負担額を調整したというケースもあります。
保険会社への相談は早めに
事故の相手と直接やり取りする前に、保険会社に事故報告を済ませておくと安心です。保険の「対物賠償責任保険」が適用される可能性があるため、補償面も含めて交渉を任せることができます。
また、保険会社が間に入ることで、感情的なやりとりを避け、冷静かつスムーズに問題解決を進められます。
連絡時のマナーと注意点
連絡する際は、まず相手の都合を考慮した時間帯を選びましょう。初回は電話よりもSMS（ショートメッセージ）での簡単な連絡がおすすめです。
例文：
「〇日に◯◯店駐車場で接触事故を起こしてしまった〇〇と申します。先日は突然のことにも関わらずご対応いただきありがとうございました。ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありません。今後の対応についてご相談できればと思っております。ご都合の良い時にご連絡いただけますと幸いです。」
まとめ：誠意ある対応がトラブルを防ぐ鍵
軽微な事故でも、相手との信頼関係や誠意ある対応がその後のトラブルを防ぐ決め手となります。連絡が来ないからといって放置せず、自分から丁寧に連絡を入れる姿勢を持つことが大切です。
そして、保険会社のサポートを早期に活用することで、不当な請求や不安を回避することができます。事故後の冷静な対応が、安心と信頼につながります。