交通事故に遭った際、自分に過失がまったくないにもかかわらず怪我を負ってしまった場合、「どれくらい慰謝料がもらえるのか?」は非常に気になるポイントです。とくに通院期間や通院日数によって慰謝料は変動するため、正確な知識が必要です。この記事では、通院3か月・45日、6か月・90日といった具体例をもとに、慰謝料の算定基準や金額の目安をわかりやすく解説します。
慰謝料の算定には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3種類がある
交通事故の慰謝料は、どの基準で算定されるかによって金額が大きく異なります。主な基準は以下の3つです。
- 自賠責基準:法定最低限の補償額。日額4,300円。
- 任意保険基準:保険会社ごとの内部基準。自賠責よりやや高い程度。
- 弁護士(裁判)基準:最も高額。裁判例に基づいている。
弁護士を依頼している場合は、通常「弁護士基準」で交渉されるため、慰謝料の金額も高くなる傾向があります。
通院3か月・通院日数45日の場合の慰謝料目安
弁護士基準では、通院期間に応じて一定の金額テーブルがあります。3か月間通院し、日数が45日程度の場合の目安は以下の通りです。
- 弁護士基準(3か月):約53万円〜57万円程度
- 自賠責基準(45日×4,300円):約19万3,500円
弁護士がついている場合は上限寄り(55万円超)で交渉される可能性が高く、保険会社との示談交渉次第で金額は上下します。
通院6か月・通院日数90日の場合の慰謝料目安
通院が長引いた場合、慰謝料も比例して増加します。通院6か月・90日程度通った場合の金額イメージは次のとおりです。
- 弁護士基準(6か月):約89万円〜95万円程度
- 自賠責基準(90日×4,300円):約38万7,000円
同じ日数でも、「期間重視」で6か月と判断されれば弁護士基準では約90万円近い金額になります。弁護士が交渉に入ることで、数十万円の差が出ることも珍しくありません。
通院頻度と実通院日数の違いに注意
慰謝料の算定では、「通院期間」と「実通院日数」の両方が考慮されます。原則として、どちらか少ない方の金額が採用されることが多いため、週に1〜2回のペースで通っていた場合は日数が不足し、満額を受け取れないこともあります。
例:通院期間6か月でも通院日数が30日しかなければ、「30日×4,300円=12万9,000円」といった計算になる可能性があり、注意が必要です。
示談交渉では「通院の必要性」が重視される
保険会社や裁判所は、単に通院していたという事実よりも、「医師の指示に基づいていたか」「症状に対して適切な通院頻度だったか」といった点を重要視します。
過剰通院と見なされると、慰謝料が減額されることもありますので、治療の必要性を示す診断書や経過記録はしっかり保管しておきましょう。
まとめ:慰謝料は基準によって大きく変わる、弁護士による交渉がカギ
過失が0%の場合でも、慰謝料は自動的に高額になるわけではなく、交渉力と資料の裏付けが重要です。通院3か月・45日なら約55万円、6か月・90日なら約90万円前後が弁護士基準の目安となります。
すでに弁護士が介入しているなら、十分な補償が受けられる可能性が高いですが、通院実績や医師の診断といった証拠がカギを握ります。自分の治療状況を冷静に振り返り、適切な請求を行いましょう。