交通事故後の示談交渉や接骨院の紹介など、被害者にとって初めての経験が多い中、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうケースがあります。とくに、紹介料や示談金をめぐって「脅し」や「不当な請求」が発生した場合は、法的にも精神的にも大きな問題です。本記事では、交通事故に関連する紹介トラブルと脅迫行為に対してどう対応すべきかをわかりやすく解説します。
接骨院の紹介料請求は正当か？
交通事故後に接骨院を紹介されることがありますが、本来、紹介料のやりとりは患者側に義務はありません。また、接骨院側と紹介者の間で報酬の授受がある場合でも、患者には関係のない話です。
実例として、事故後に「示談金の何％を紹介料として払え」と言われた方がいますが、これは法的根拠のない請求である可能性が高く、応じる必要はありません。
口頭のやりとりと記録の重要性
トラブルが起きた場合、LINEや通話内容などの記録を残すことが非常に重要です。録音・スクリーンショット・メールの保存など、証拠を確保することで法的手続きへの備えができます。
特に脅迫や暴言などの発言があった場合、第三者に事実を証明する材料として非常に有効です。感情的なやりとりになる前に、冷静な記録を優先しましょう。
「覚えておけ」は脅迫罪にあたる？
刑法第222条では、「生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加える旨を告知して脅す行為」は脅迫罪に該当します。つまり、「覚えておけ」「晒してやる」といった言動は、脅迫罪の構成要件を満たす可能性があります。
実際に危害が加えられなかったとしても、被害者が恐怖を感じた場合には、警察へ相談する根拠となります。
警察・弁護士への相談はためらわずに
このようなトラブルに直面した場合、まずは最寄りの警察署へ相談することが第一です。事情を丁寧に説明し、記録も持参すれば、生活安全課などが対応に乗り出すケースがあります。
また、弁護士ドットコムなどで無料相談を受けられる弁護士サービスも活用できます。特に、精神的被害が強い場合や相手が暴力団関係者の疑いがある場合は、専門家の介入が安全を守る手段となります。
示談金は誰のためのものか？
示談金は被害者本人への賠償であり、紹介者など第三者が介入して取り分を主張する法的根拠はありません。一度了承してしまっても、強要された証拠があれば、その約束自体が無効と判断される可能性があります。
また、示談交渉の過程で虚偽の説明をした場合（同乗していたなど）、保険会社との信頼関係に影響する恐れもあるため、早めに修正申告や謝罪を行うことも必要です。
まとめ：自己防衛と冷静な対応がトラブル回避の鍵
交通事故後のトラブルは、精神的に追い詰められやすく、判断力を失いがちです。しかし、違法な請求や脅迫に対しては冷静かつ法的に対処することが何より大切です。
言われたままに応じるのではなく、記録を残し、信頼できる第三者（弁護士・警察）に相談することで、自分と家族の安全を守りましょう。