ある日突然、弁護士名義で『発信者情報開示に係る意見照会書』が届いたら驚いてしまうのは当然です。特に身に覚えがない場合、「これは詐欺では?」と不安になる方も多いでしょう。本記事では、こうした通知の背景と、正しい対処法について詳しく解説します。
発信者情報開示請求とは何か?
発信者情報開示請求とは、インターネット上での誹謗中傷や権利侵害行為があった際に、その投稿者の情報をプロバイダ等に対して開示請求する制度です。請求は通常、被害者側が弁護士を通じて行い、対象者の特定を目的としています。
この請求には、裁判所の仮処分命令や訴訟による法的手続きが伴うことが多く、プロバイダ責任制限法に基づいて行われます。
意見照会書が届く理由と内容
プロバイダが発信者情報開示請求を受けた際、対象者に「意見照会書」を送付することがあります。これは、情報を開示してよいかどうかを確認するための手続きで、あなたに異議を申し立てる機会を与えるものです。
文書には、開示請求の内容(投稿日時、投稿内容など)や、回答期限、異議申立の方法などが記載されており、開示の判断材料として使用されます。
詐欺の可能性はあるのか?確認すべきポイント
本物の照会書であるかを見極めるためには、いくつかのチェックポイントがあります。まず、送付元がプロバイダ(NTT、KDDI、ソフトバンク等)や信頼できる弁護士事務所かを確認しましょう。
また、記載された弁護士名を日本弁護士連合会の検索サイトで調べることも有効です。個人情報や金銭の請求が含まれている場合は詐欺の可能性が高いため、注意が必要です。
どう対応すべきか?正しいステップ
意見照会書が本物であると判断した場合は、内容をしっかり読み込み、必要に応じて法律の専門家に相談しましょう。自分が該当投稿を行っていない場合は、その旨を文書で回答することが重要です。
なお、無視をすると開示される可能性が高まるため、何らかの対応を取ることが推奨されます。文書での回答に不安がある場合は、弁護士に代筆を依頼するのも良い選択です。
実際にあった事例紹介
ある利用者が、自身のブログに投稿したコメントに対して発信者情報開示請求が行われ、意見照会書が届いた事例があります。本人は記憶になく、最初は詐欺と疑いましたが、プロバイダに確認した結果、正当な手続きであることがわかり、弁護士を通じて異議申立てを行いました。
最終的に開示はされず、事なきを得ましたが、早めの対応が功を奏した事例です。
まとめ:落ち着いて確認・対応を
突然の意見照会書に驚くのは当然ですが、まずは冷静にその正当性を確認し、焦らず対応することが大切です。詐欺の可能性もある一方で、正規の手続きである場合も少なくありません。専門家の力を借りながら、状況に応じた適切な行動を取りましょう。