近年、InstagramなどSNSを利用した個人間取引が増える中で、詐欺被害の報告も後を絶ちません。特にDM(ダイレクトメッセージ)でやり取りをして代金を振り込んだのに商品が届かず、連絡も取れなくなるといったケースが急増しています。本記事では、Instagramのネット販売で詐欺に遭ってしまった場合にとるべき対応策を、具体的かつ法的な視点から解説します。
InstagramのDM販売が危険な理由
Instagramの個人アカウントでのDM販売は、購入者側の保護が極めて弱いのが現状です。公式の決済サービスを介さないことで、万一トラブルが発生してもプラットフォーム側が仲介してくれる仕組みがないため、詐欺行為の温床となりやすいのです。
特に「振込先だけを教えてきて、あとはDMで対応」という販売形式はリスクが非常に高く、信頼できるかどうかの見極めが困難です。
詐欺に遭ったと感じたらまずやるべきこと
まずは、証拠の確保が重要です。以下のような情報は削除される前にスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
- DMでのやり取り内容
- 振込記録や送金履歴
- 相手のプロフィール画面
- 投稿内容やアカウントのURL
次に、Instagramのヘルプセンターからアカウントの通報も行いましょう。不審なアカウントが他の被害者を生まないようにするためにも重要です。
警察への相談は可能か?
金銭を騙し取られた場合、それは刑法上の「詐欺罪」に該当する可能性があります。被害額が少額であっても、被害届は提出可能です。最寄りの警察署へ出向き、事情を説明しましょう。
この際、前述した証拠を持参するとスムーズに対応してもらえます。被害届が受理されると、相手の銀行口座や電話番号などから捜査が進められることもあります。
返金を求めるには?弁護士や裁判所の利用も視野に
相手の情報(氏名や口座名義、住所など)がある場合、内容証明郵便で返金請求を行うことも可能です。個人では難しい場合は、弁護士や司法書士に相談することで、より確実な対応が取れます。
また、少額訴訟制度を利用すれば、比較的安価に法的措置を講じることができます。ただし、相手の身元が不明な場合には実行が難しいケースもあります。
実際の被害例と回復までの流れ
20代女性がInstagramで購入したブランド品が届かず、相手にブロックされるという被害に遭いました。彼女はDMの内容と振込履歴を元に、警察に相談。警察の捜査によって口座の持ち主が判明し、最終的に示談によって一部返金を受けることができました。
このように、早期に行動し、証拠を残しておくことが事態の回復に大きく影響します。
今後同じ被害を防ぐために
今後は以下のような点に注意しましょう。
- InstagramなどのSNSで個人から直接購入しない
- 決済サービスや購入者保護制度があるプラットフォームを利用する
- 振込先の情報に違和感がある場合はすぐに中止
- 口コミや評判を事前に検索して確認する
また、家族や友人にもこのような詐欺の手口を共有し、被害の拡大を防ぎましょう。
まとめ:泣き寝入りしないことが最善の防御
SNS上での詐欺被害は身近な問題になりつつありますが、「少額だから」と諦めず、適切な対応を取ることで相手の特定や返金の可能性を広げることができます。被害に遭った場合は、感情的になる前に冷静に証拠を確保し、警察や弁護士への相談を検討してください。被害を最小限に抑え、今後同じようなトラブルを防ぐための第一歩となるはずです。