自動車に乗る際の基本的な安全装備であるシートベルト。しかし、装着方法を誤ることで安全性を損なうだけでなく、法律違反になることもあります。この記事では、正しいシートベルトの着用法や誤った装着が及ぼすリスクについて解説します。
シートベルトの構造と役割
シートベルトは「3点式」が主流で、肩・腰・胴体の3箇所を同時に固定する構造になっています。これにより、万が一の衝突時に身体を確実に保護し、命を守る仕組みになっています。
特に肩ベルトは、上半身の前方移動を抑制する重要なパーツであり、腰ベルトのみの装着では保護機能が大きく損なわれます。
「肩ベルトを背中に回す」は違反になる?
肩ベルトを背中に回し、お腹の前にだけベルトを通す装着は、本来の3点式を2点式に改変しているため、道路交通法に基づく「正しい着用」とは認められません。この装着方法は、警察による取り締まり対象になります。
例えば、高速道路での検問などでこのような装着が確認されると、「シートベルト装着義務違反」として反則金や違反点数の対象になります。
正しい着用が命を守る理由
シートベルトを正しく着けていない場合、衝突の際に身体が前方に投げ出され、大きなダメージを受ける危険があります。
特にエアバッグとの併用が前提となっているため、ベルトの位置がズレていると、エアバッグがかえって致命的になるケースもあります。
国土交通省の調査によると、シートベルトの正しい装着によって致死率は約1/3まで下がるとされています。
よくある誤解とそのリスク
- 「短距離だから大丈夫」→事故は自宅近くで多く発生します。
- 「苦しいから腰だけでいい」→誤装着で逆に内臓を圧迫しやすくなります。
- 「警察に見つからなければOK」→見つかるかどうかでなく、命に関わる問題です。
正しい知識がないまま自己流で着用すると、かえって重傷につながることがあります。
どうすれば快適に着けられる?
「肩ベルトが首に食い込む」「体格に合わない」という悩みを抱える人は、シートベルトパッドや調整クリップなどの補助用品を活用するのもひとつの方法です。これにより、圧迫感を軽減しながらも正しい位置での装着が可能になります。
カー用品店やネットショップで数百円から手に入る便利なアイテムが多数あります。
まとめ
シートベルトは「正しく着用すること」が法律でも義務付けられており、肩ベルトを背中に回すような装着方法は、安全面でも法的にもNGです。
正しい着用が事故の被害を最小限に抑えることは、データでも明らかです。安心して運転・乗車するためにも、日頃から正しい知識と習慣を持つことが大切です。