交通事故の中でも、右折車と直進車の関係は特にトラブルの多いシーンのひとつです。今回は、右折車が強引に右折した結果、対向の直進車に急ブレーキを踏ませ、それにより後続車が追突してしまった場合、右折車にどのような責任が生じるのかについて解説します。
交通事故における過失割合の基本
交通事故では、当事者それぞれの運転行動に過失がある場合、その過失の度合いによって損害賠償の負担が分けられます。これを「過失割合」といいます。
特に右折と直進の関係では、原則として直進車の優先があるため、右折車には高い注意義務が課せられます。
強引な右折が引き金となる事故とは
たとえば、交差点で右折を試みた車が、直進車の接近を軽視して強引に右折したことで、直進車が急ブレーキをかける羽目になり、その直進車に後続車が追突するケースです。
この場合、一見すると追突事故なので後続車の過失が大きいように思えますが、右折車の進入が事故の引き金となっていれば、右折車にも一定の過失が認められる可能性があります。
裁判例や判例に見る右折車の責任
実際の判例では、右折車の行動が明らかに無理なタイミングでの進入だったと判断されると、事故に対して30%前後の過失が認定されたケースもあります。
例えば、東京都内の事例で、信号のない交差点で右折車が直進車の直前に入り、直進車が急停止し、その後方車両が追突した事故では、右折車の過失が25%とされた判例があります。
右折車がとるべき安全確認と対策
右折する際は、対向車の速度と距離を慎重に見極めることが重要です。急いで右折したい場合でも、直進車が完全に通過するまで待つのが原則です。
また、夜間や雨天など見通しの悪い状況では、特に慎重に判断することが求められます。
事故後の対応と法的なポイント
万が一、事故が発生した場合は、速やかに警察に連絡し、事故状況を記録することが重要です。自分の過失がどの程度なのかについては、保険会社や弁護士を通じて冷静に検証する必要があります。
強引な右折が原因である可能性がある場合、自分が追突していなくても一定の法的責任が問われる可能性があるため注意が必要です。
まとめ:右折車も無関係ではいられない
たとえ直接的な接触がなくても、強引な右折が原因で事故が誘発された場合、右折車に過失が認められることは少なくありません。交通ルールに従った運転と、事故発生時の適切な対応が重要です。ドライバーとして、自身の運転が他車にどんな影響を与えるかを常に意識し、安全運転を心がけましょう。