学校の授業やプレゼンテーションでプロスポーツ選手の写真を使いたいと考える人は多いでしょう。しかし、インターネットで拾った画像をそのまま使用しても問題ないのでしょうか?本記事では、教育目的での画像使用に関する法律的な考え方をわかりやすく解説します。
肖像権とは何か?
肖像権とは、自分の顔や姿が撮影・公表されることをコントロールする権利です。プロスポーツ選手や芸能人など著名人の場合、その肖像にはパブリシティ権も認められることがあり、営利目的での使用は厳しく制限されています。
ただし、学校内の非営利な教育活動において、発表の一部として写真を使用する場合は、社会通念上、肖像権侵害とまでは言えないケースもあります。
著作権との違いと注意点
写真には撮影者の著作権も発生します。たとえ写っている人物の肖像権をクリアしていても、画像の撮影者(例:スポーツ新聞社やカメラマン)の許可なしに使用すると、著作権侵害になるおそれがあります。
画像検索などで出てきた写真はほとんどが著作権保護対象です。勝手に保存して使うことは、教育目的であっても「複製権の侵害」にあたる可能性があります。
教育目的での使用は認められる?
著作権法第35条には、「授業での使用に限っては、著作物を必要な範囲で利用できる」とする「教育機関における著作物の利用に関する例外規定」があります。
この規定に基づき、学校の授業の中で行われるプレゼンテーションであれば、著作権者の許諾なく画像を使えるケースもあります。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 授業やゼミ等、教育課程の一環であること
- 営利を目的としないこと
- 必要最小限の範囲で使用すること
引用としての使用は可能か?
著作物を使用する際、「引用」として認められるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 主従関係が明確である(引用部分がメインではない)
- 出典を明記している
- 引用の必要性が認められる
たとえば、「この選手のプレースタイルについて述べるために試合中の写真を引用する」といった場合は、条件を満たせば合法となることがあります。ただし、写真を大きく表示し、解説は少しだけ…という使い方は引用と認められない可能性が高くなります。
著作権フリー画像や公式素材の活用
どうしても不安が残る場合は、次のような方法でリスクを回避できます。
- 選手本人の公式SNS(使用許可が明示されている場合)
- Creative Commonsライセンスの画像を提供するサイト(例:Pixabay、Unsplash)
- スポーツ団体のプレスキットや広報素材
これらを活用することで、法律上のリスクを避けながら質の高いプレゼンテーションを実現できます。
まとめ
プロスポーツ選手の写真を学校のプレゼンで使う際には、肖像権と著作権の両方に注意を払う必要があります。教育目的であれば一部の例外が認められていますが、それでも「正しい引用」や「出典の明記」を忘れずに行うことが大切です。著作権フリーの素材を使う、もしくは公式の画像を使用することで、より安心してプレゼンを進めることができるでしょう。