自転車と接触して車に傷がついた場合、修理せずに賠償金を受け取っても問題ない?領収書の必要性も解説

交通事故で自動車に傷がついた際、加害者側に修理費用の請求をするのは当然の権利ですが、「必ず修理しなければいけないのか?」「領収書は渡すべきか?」といった疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、修理をするかどうかは被害者の自由なのか、金銭を受け取る際に領収書が必要なのかなどについて、法的な観点から解説します。

損害賠償とは「実際に発生した損害」の補填

損害賠償は、民法上「原状回復」を原則とするため、事故によって生じた損害(車の傷など)に見合った金額を加害者に請求することができます。

しかし、その金額を「修理に使うかどうか」は被害者の自由であり、実際に修理をしなくても、見積額をもとに賠償金を受け取ること自体は違法ではありません。

修理しないのにお金を受け取るのは詐欺になるのか?

重要なのは、「虚偽の事実に基づいて請求していないこと」です。たとえば、実際には壊れていないのに「壊れた」として虚偽の見積書を提出すれば、それは詐欺にあたる可能性があります。

一方、実際にミラーに擦り傷や機能障害があるという損害が確認され、それに対して正規の見積もりを取得したうえで請求を行い、支払いを受けたのであれば、それを修理に使わなくても詐欺にはなりません。

領収書を渡す義務はある?

通常、損害賠償の支払いが完了した証拠として、加害者側から領収書の提示を求められることがあります。しかしこれは、必ずしも「修理の領収書」ではなく、「賠償金を受け取ったこと」を証明するための書類であることが多いです。

つまり、修理を終えてから修理費の領収書を渡す必要は必ずしもありません。代わりに、「○月○日に○円を受け取りました」という金銭受領の領収書や示談書を交わすことで、双方の確認と証拠を残すことが可能です。

修理するかどうかは被害者の判断でOK

加害者はあくまで「損害を金銭で補償」する義務があるにすぎず、その後の処理は被害者の自由です。たとえば。

  • 見積もり金額をもらって、別の用途に使う
  • 今は修理せず、後日まとめて修理する
  • 自分でDIY修理する

これらの選択をしたとしても、実際に損害があり、その補償金額が妥当であるならば問題ありません。

示談書を交わす際のポイント

誤解やトラブルを避けるためには、支払い時に示談書を作成するのがおすすめです。示談書には以下の項目を記載しましょう。

  • 事故の発生日・場所・内容
  • 損害の内容(例:左サイドミラーの損傷)
  • 見積もり金額・支払い金額
  • 今後の追加請求をしない旨(清算条項)

双方が納得のうえで署名・捺印することで、後のトラブルを防ぐことができます。

まとめ

自動車の損傷に対して見積もり金額を相手から受け取る場合、修理の有無は被害者の自由であり、修理をしなかったからといって詐欺に問われることは基本的にありません。ただし、虚偽の申告や水増し請求は厳禁です。
領収書の提示義務はありませんが、金銭受領の証拠として「受領書」や「示談書」の作成は非常に重要です。正しい知識をもって、安心して対応を進めましょう。

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