交通事故の被害に遭い、ご自身とお子様の治療を終えた後、次に待ち受けるのが保険会社との示談交渉や後遺障害認定の手続きです。しかし、進行が遅く感じたり、弁護士からの連絡が滞っていると不安になるのも当然です。この記事では、事故後の流れや示談・後遺障害の申請にかかる期間について、実例を交えながら解説します。
子どもに後遺症がない場合の示談交渉の流れ
まず、お子様に後遺症が残っていない場合、治療終了(いわゆる症状固定)後に示談交渉へ進みます。ここで必要となるのは、診断書・通院証明・治療明細・医療費領収書などの各種書類です。
保険会社がこれらの資料を受け取り、過失割合や損害額の査定を終えるまでに、1~2ヶ月程度かかるのが一般的です。示談案が提示されたあと、内容に納得すればすぐに契約成立となり、最短で2~3ヶ月で解決するケースもあります。
ただし、今回のように相手側の資料提供が遅れている場合、3~6ヶ月程度かかることもあり得るため、進捗が滞っていると感じたら定期的に弁護士に確認を取ることが大切です。
保険会社の資料提供の遅れと対応策
相手側の保険会社が「基準」や「規約」を理由に資料提供を渋っている場合、それ自体が交渉戦略の一つであることもあります。病院から直接資料を取り寄せるのは適切な判断であり、これにより交渉がようやく動き出すことが多いです。
弁護士が動き出した後は、病院側との書類交渉や開示請求に時間がかかることもあります。書類収集+交渉開始までにさらに1ヶ月~1.5ヶ月程度かかると見積もっておくと良いでしょう。
ご自身に後遺障害が残っている場合の流れと期間
ご自身が現在も通院中であり、後遺障害の申請を行っている場合、手続きはさらに複雑になります。一般的な流れは以下の通りです。
- 症状固定の診断を医師に依頼
- 後遺障害診断書の作成
- 保険会社(または弁護士)経由で自賠責保険に申請
- 自賠責調査事務所による審査(通常2~3ヶ月)
- 等級認定→損害額の算定→示談交渉
この流れだけでも、全体で4~6ヶ月かかるのが標準的です。症状固定がまだであれば、さらに治療期間が延びるため、完了まで半年~1年かかるケースも少なくありません。
特に争点がある場合(等級認定への異議申し立てなど)は、さらに数ヶ月が追加される場合があります。
弁護士の動きが遅いと感じたらどうするか
「2ヶ月音沙汰がない」「進捗の説明が少ない」といった不安は、遠慮せずに事務所へ進捗確認の連絡を入れるべきです。弁護士には依頼者に説明義務があり、状況の把握と納得ができるまで情報を求めて構いません。
また、担当弁護士の対応に不満がある場合は、弁護士会の相談窓口や、日本弁護士連合会に相談することもできます。セカンドオピニオン的に他の弁護士の見解を聞くのも一手です。
まとめ
交通事故後の示談交渉や後遺障害申請は、書類の収集や保険会社との交渉状況によって大きく進行が左右されます。お子様が後遺症なしの場合は通常2~3ヶ月、ご自身が後遺障害を申請している場合は4~6ヶ月以上かかるのが一般的です。不安がある場合はこまめに弁護士に進捗確認を行い、納得できる形で進めていくことが大切です。