近年、Web3ゲームの進化により、ゲーム内でのベッティング（予想投票）機能が注目を集めています。特に、2025年6月にリリース予定の『TOKYO BEAST』は、暗号資産と連動したベッティングシステムを採用し、プレイヤーに新たな体験を提供しています。本記事では、『TOKYO BEAST』のベッティング機能が日本の法律においてどのような位置づけにあるのかを解説します。
日本の賭博法とその例外
日本の刑法第23章では、賭博行為は原則として禁止されています。ただし、競馬、競輪、競艇、オートレースなどの公営ギャンブルや、宝くじ（takarakuji）、パチンコなどは特別法により合法とされています。これらの例外は、厳格な規制と監督のもとで運営されています。
一方で、オンラインカジノや賭けポーカー、麻雀店などでの賭博行為は、たとえ暗号資産を使用し現金を直接賭けない場合でも、違法と判断されるケースがあります。これは、賭博の結果として得られる利益が「財産的価値」を持つと解釈されるためです。
『TOKYO BEAST』のベッティング機能とは
『TOKYO BEAST』は、2124年の東京を舞台にしたブロックチェーンベースの格闘ゲームで、プレイヤーはBEASTと呼ばれるアンドロイドを操作して戦います。ゲーム内では、他のプレイヤーの試合結果を予想するベッティング機能があり、的中するとゲーム内通貨「JEWELS」やアイテムを獲得できます。
このベッティング機能は、法的な監修を受けて設計されており、現金や法定通貨を直接賭けることなく、ゲーム内で完結する仕組みとなっています。プレイヤーは、試合の結果を予想し、ゲーム内での報酬を得ることができます。
法的な位置づけと合法性の根拠
『TOKYO BEAST』のベッティング機能が合法とされる理由は、以下の点にあります。
- ゲーム内通貨の使用：ベッティングには、ゲーム内通貨「JEWELS」が使用され、法定通貨や現金との直接的な交換は行われません。
- 財産的価値の制限：「JEWELS」は、ゲーム内でのみ使用可能であり、外部での換金性が制限されています。
- 法的監修：開発段階で弁護士や専門家の監修を受け、賭博法に抵触しないよう設計されています。
これらの要素により、『TOKYO BEAST』のベッティング機能は、現行の日本の法律において合法と解釈されています。
暗号資産とゲーム内通貨の関係
『TOKYO BEAST』では、ゲーム内通貨「JEWELS」が使用されますが、これが暗号資産とどのように関係しているのかが注目されています。一般的に、ゲーム内通貨が暗号資産と交換可能である場合、その通貨は「財産的価値」を持つと判断される可能性があります。
しかし、『TOKYO BEAST』では、「JEWELS」の外部での換金性が制限されており、ゲーム内での使用に限定されています。これにより、賭博法における「財産的価値」の要件を回避し、合法性を確保しています。
今後の展望と注意点
日本では、暗号資産やブロックチェーン技術に関する法整備が進められており、ゲーム業界においても新たなビジネスモデルが模索されています。『TOKYO BEAST』のような事例は、今後の法改正や判例によって評価が変わる可能性があります。
プレイヤーや開発者は、常に最新の法的情報を確認し、適切な対応を行うことが重要です。また、ゲーム内での活動が現実世界での法的責任を伴う可能性があることを認識し、慎重に行動することが求められます。
まとめ
『TOKYO BEAST』のベッティング機能は、ゲーム内通貨の使用や法的監修により、日本の賭博法に抵触しないよう設計されています。現時点では合法とされていますが、今後の法改正や社会的な動向により評価が変わる可能性もあります。プレイヤーや関係者は、常に最新の情報を把握し、適切な対応を心がけることが重要です。