駐車場でのバック事故と過失割合の考え方|ドラレコ記録がカギに

駐車場での事故は、狭いスペースと複雑な動きが絡み合い、過失の判断が難しくなる場面が多々あります。特に、バック中の車と徐行中の車との接触は、状況によって過失割合が大きく変わるため、正確な判断には記録や証言が重要です。

駐車場内での事故は「公道」と異なる特性がある

一般道路と違い、駐車場内は法的には「私有地」とされることが多く、交通ルールというよりも「安全配慮義務」に基づいて過失が判断されます。つまり、運転者同士が互いに注意を払うべきとされている環境です。

特に駐車場の通路では、他の車両の動きや歩行者にも注意が必要で、少しの油断が事故につながりやすいのが特徴です。

バック中の車両が事故を起こした場合の基本的な過失割合

一般的に、駐車場などでバックしていた車が接触事故を起こした場合、バックしていた側が多くの過失責任を問われる傾向にあります。これは、「後方確認を怠った」と見なされやすいためです。

過去の判例などから見ると、バック車:直進車=70:30や80:20とされることが多く、直進側が完全に無過失とされることはあまりありません。

停止またはほぼ停止していた場合の影響

直進車が完全に停止していたと認定されれば、過失割合は0になる可能性があります。しかし、事故直前に「少しでも動いた」場合、完全な停止とは見なされず、1割〜3割程度の過失が加算される可能性があります。

このため、ドラレコの記録や当時のスピード、移動距離などの証拠が非常に重要になります。時速5km未満、移動距離が1m未満であっても「動いていた」とされれば、少なくとも1割の過失はつく可能性があります。

ドラレコは過失割合に強く影響する

ドライブレコーダーの映像は、事故の瞬間や直前の状況を客観的に記録しているため、保険会社や裁判所において重要な証拠となります。たとえば、バック車がウィンカーを出していなかった、周囲の確認を怠っていたといった点が映っていれば、相手側の過失が重く見られます。

一方で、自分の車が停止していたかどうか、動いていたとしてもそれが回避行動であったかも映像から判断されるため、どちらにとっても有利・不利が明確になりやすいです。

示談交渉でのポイントとアドバイス

保険会社との交渉では、過失割合に納得がいかない場合は、事故の映像や現場の写真、当時の状況をまとめて主張することが重要です。また、相手側が保険会社を通さず個人対応を望む場合には、やり取りの記録(LINEやメール)を残しておくとトラブル回避に役立ちます。

必要であれば、弁護士特約を活用して専門家のサポートを得ることも一つの手です。弁護士に依頼することで、過失割合の交渉が有利になることもあります。

まとめ:小さな動きでも過失割合に影響あり

駐車場内でのバック事故は、「動いていたかどうか」が過失判断において大きな分岐点となります。たとえ時速5km未満でも、わずかな移動が「停止とは言えない」と判断されることがあります。

事故の当事者としては、ドラレコの活用と詳細な状況把握がカギとなります。冷静に事実を整理し、過失割合の交渉に臨みましょう。

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