電力自由化が進んだ現代では、さまざまな電力会社が登場し、それに伴い勧誘トラブルも増加しています。「エビス電力」や「新電力」と名乗る営業が突然訪問してくるケースも少なくありません。本記事では、お客様番号などの情報を一時的に見せてしまった場合のリスクと、万が一のための対処法について詳しく解説します。
電力会社の切り替え勧誘とは?
多くの新電力会社は、訪問営業や電話勧誘を通じて契約切り替えを促します。中には「〇〇電力の代理店です」と名乗るケースもありますが、実際は全く関係のない会社であることが多く、注意が必要です。
例えば、「九州電力の提携先」として勧誘してくるケースもありますが、公式には提携していないことが多いため、信頼できる情報源で確認することが重要です。
お客様番号やS番号を見せてしまったらどうなる?
電力会社の切り替えには、お客様番号、供給地点特定番号(S番号)、契約者名義、住所などの情報が必要です。これらが揃うと、理論上は第三者が勝手に切り替えを申請できるリスクがあります。
ただし、通常は申請時に本人確認のための電話や書面のやり取りがあり、すぐに勝手に変更されるケースは稀です。とはいえ、一部の悪質業者は記憶した情報をもとに申請する可能性もあるため、慎重に対応する必要があります。
勝手に契約変更されたか確認する方法
不安な場合は、現在契約している電力会社(たとえば九州電力)に連絡し、契約状態や切り替え申請の有無を確認しましょう。すでに切り替え手続きが進んでいる場合は、早期のキャンセルや異議申し立てが可能です。
また、電力広域的運営推進機関(OCCTO)の「スイッチング支援システム」では、契約の移行状況の確認や修正依頼も可能です。
訪問勧誘を受けた際の対処法
訪問営業が来た場合、以下のような対応を心がけましょう。
- その場で契約書や書類にサインをしない
- 相手の会社名・名刺・免許情報を必ず確認
- 「検討します」と言ってその場で帰ってもらう
- 会話や名刺の写真を記録として残す
さらに、玄関先に「勧誘お断り」のステッカーを貼ることで、トラブルを未然に防ぐことも可能です。
万が一契約してしまった場合の対応
訪問販売による契約には、契約日から8日以内であればクーリングオフが適用されます。書面またはハガキで通知すれば、理由を問わず無条件で契約を解除できます。
通知の際は、コピーを取る・送付記録を残す・配達証明を利用するなど、証拠を残すことが重要です。
まとめ:冷静な判断と情報の保護がトラブル回避の鍵
電力の勧誘は今後も続くと予想されますが、「その場で契約しない」「個人情報を見せない」ことが基本の防御策です。すでに情報を見せてしまった場合でも、すぐに契約先へ連絡し、切り替えの有無を確認することで、万が一のトラブルを未然に防ぐことができます。少しでも不安を感じたら、消費者ホットライン(188)へ相談しましょう。