コンビニでのアルコールやタバコの販売時には、年齢確認が義務付けられています。とくに未成年者への販売は法律で禁止されており、店員が疑問を感じた場合には確認を求めるのが当然の対応です。しかし、実際の現場ではトラブルに発展することも少なくありません。本記事では、正しい年齢確認の対応方法や、警察を呼ぶと言われた場合の法的・実務的なポイントを解説します。
年齢確認に必要な「顔写真付きの身分証」とは
法律上、20歳未満に酒類やたばこを販売してはなりません。これに対応するため、店舗では通常「顔写真付きの身分証明書（運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等）」の提示を求めるルールを設けています。
健康保険証などの顔写真のない書類は、本人確認が困難であるため、年齢確認書類として認めない店舗も多いのが実情です。オーナーや企業方針として「顔写真必須」としているケースも多数あります。
保険証ではダメなのか？店側の対応の妥当性
保険証には生年月日が記載されているため、年齢だけを確認するなら十分に思えるかもしれません。しかし、本人確認ができない以上、別人が借用している可能性も排除できません。そのため、本人であることを証明できない身分証では販売を断るのが安全な対応です。
これは店舗が法律違反を避けるためであり、警察や行政からの指導もこの方針を支持することが多いです。
「警察を呼ぶ」と言われたときの対応と実際の対応
客が警察を呼ぶと主張した場合、店員としては冷静に応対することが求められます。まず、警察を呼ぶこと自体は自由であり、違法ではありません。ですが、店員が法律や店舗方針に従って行動していれば、警察が来たとしても問題になることはまずありません。
実際、同様の事例では警察官が現場で「販売拒否は正当な判断」と伝えて終わるケースがほとんどです。
トラブルを避けるために覚えておきたい接客のコツ
年齢確認をお願いするときは、丁寧な言い回しと、店舗ルールであることを説明するとトラブルを避けやすくなります。たとえば「恐れ入りますが、当店では顔写真付きの身分証明書の提示をお願いしております」と説明することで、個人の判断ではなく、店舗の方針であることを伝えられます。
また、事前に店内に「顔写真付きの身分証をご提示ください」と掲示しておくことも、後のトラブル防止に役立ちます。
警察が介入するケースとその限界
今回のようなケースで警察が介入したとしても、刑事事件として扱われることはほとんどありません。強要や暴力行為があれば別ですが、単なる口論や販売拒否に関しては、基本的に「民事不介入」の原則に従います。
つまり、店員がルールに従って対応していれば、警察が来たとしても不利になることはないというのが実際の運用です。
まとめ：店舗ルールを守る姿勢が最善の防御
年齢確認に関するトラブルは、店員個人の判断ではなく、店舗としてのルールと方針に基づいて対応することが大切です。保険証のような顔写真のない身分証はリスクを伴うため、販売拒否も正当とされます。
トラブルに発展しそうな場合でも、冷静に対応し、必要であれば店長や責任者に引き継ぐ判断が重要です。警察を呼ぶといった発言に動揺せず、ルールを守って接客することが、最終的には自分を守ることにもつながります。