親族の借金問題は、たとえ相続放棄をしていても後年になってから思わぬ形で連絡が届くことがあります。特に、クレディアのような債権回収業者からの通知は、驚きや不安を感じる方も多いでしょう。本記事では、相続放棄後に届いた債権通知への対応方法や、個人情報の保護、時効援用の必要性などをわかりやすく解説します。
相続放棄の効力とは?
相続放棄とは、亡くなった方の財産だけでなく負債も一切引き継がないとする家庭裁判所の手続きです。放棄が認められた時点で、相続人ではなくなります。これにより、原則として借金の返済義務も発生しません。
ただし、債権者がその放棄を把握していなければ、確認のために連絡をよこすこともあります。通知が届くこと自体は珍しくなく、違法ではありません。
債権者への相続放棄の証明書送付は必要?
債権者から相続放棄を証明する書類の送付を求められるケースはありますが、法的な義務はありません。とはいえ、証明書を送ることで、以降の督促や通知が停止される可能性があります。
不安な場合は、個人情報の開示範囲を最小限に留めるため、弁護士や司法書士など専門家を通じての送付を検討しても良いでしょう。本人が直接やり取りすることで、新たなトラブルを引き起こすリスクもあります。
通知を無視しても大丈夫?
相続放棄済みであれば法的責任は免れていますが、通知を無視し続けると心理的な負担が続いたり、債権者からの連絡が繰り返されたりする可能性があります。無視よりも、放棄を証明して対応を終わらせる方が安心です。
なお、内容証明郵便などで正式な請求が来た場合には、それに応じて対応する必要があります。裁判所を通じた手続きに発展することもあるため、油断は禁物です。
12年経過している場合の「消滅時効」援用は必要か
消費者金融からの借金には通常5年間の消滅時効が適用されます。12年前の借金であれば、時効が成立している可能性が極めて高いです。
ただし、時効は「主張(援用)」しなければ成立しません。相続放棄していても、債権者が相続放棄を無効と主張したり、新たな証拠を提示するケースも稀にあるため、必要に応じて時効援用の手続きを専門家に依頼するのも有効です。
身を守るために取るべき対応とは
対応に不安がある場合は、消費者問題に強い弁護士や、法テラスなどの公的機関に相談することが推奨されます。費用が心配な方でも、初回相談無料の法律事務所や自治体の無料法律相談などを活用することができます。
また、個人情報を最小限に抑えたい場合は、代理人を立てる、弁護士名義で回答するなどの方法も検討しましょう。
まとめ:冷静かつ慎重な対応を
相続放棄済みであれば、法的には借金の返済義務はありません。ただし、放棄を債権者が確認できなければ通知が来ることはあり得ます。通知に対しては冷静に対応し、可能であれば放棄の証明を提示することで以降の連絡を止めるのが現実的な対処法です。時効援用の検討も含め、必要であれば専門家に相談し、自身の権利をしっかり守りましょう。