離婚届を記入したものの、公正証書の完成を待っている間に相手との連絡が取れなくなると、不安になる方も多いでしょう。特に、勝手に離婚届を提出された場合の影響や、事前に防ぐ方法について理解しておくことは非常に重要です。この記事では、離婚届の取り扱いや法的対処法、具体的な予防策について詳しく解説します。
離婚届を勝手に提出された場合の法的リスク
離婚届は夫婦の合意があって初めて効力を持ちます。しかし、一方が勝手に提出しても、役所が書類に不備を認めなければ受理されてしまう可能性があります。特に保証人欄まで記入されていれば、提出自体は物理的には可能です。
万が一、意図せず離婚が成立した場合、戸籍に反映され、婚姻関係が解消されてしまいます。その後に取り消すには家庭裁判所での離婚無効の申し立てが必要となり、時間も費用もかかります。
離婚届の不受理申出制度を活用しよう
こうした事態を防ぐために重要なのが「離婚届の不受理申出」です。これは、本人の意思に反して離婚届が提出された場合に備え、事前に市区町村役場へ届け出ておく制度です。
申し出は本人が窓口に行く必要があり、身分証明書と印鑑を持参します。申出により、あなたが許可しない限り離婚届が受理されなくなります。
LINEブロックや連絡不能時の対処法
夫婦間のやり取りがLINEなどのSNSのみであった場合、ブロックされると証拠が消えてしまうと誤解しがちですが、スクリーンショットを取って保管しておくことで証拠として活用できます。
また、やり取りの内容を紙にプリントしておくことも有効です。万一法的手続きを行う場合、証拠として提出可能です。
保証人を勝手に書かれた場合の影響
離婚届の保証人欄には、成人の署名が必要ですが、仮に署名を偽造された場合は私文書偽造罪に該当する可能性があります。
保証人に心当たりがある場合には、確認をとり、場合によっては警察や弁護士に相談することで対応が可能です。
すぐに行うべき対応ステップ
- 市区町村役場にて「離婚届の不受理申出」を行う
- LINEなどのやり取りのスクリーンショットを保存
- 保証人欄の署名を確認し、無断記入の可能性がある場合は記録
- 弁護士または法テラスでの無料法律相談を検討
特に、感情的な衝突が大きい場合やDVなどが関係している場合は、法的な保護手段（接近禁止命令など）を含めて弁護士に相談することが安心です。
まとめ：早めの法的対応と記録保存がカギ
離婚届に関するトラブルは、提出前の不受理申出や証拠の記録保存によって、ある程度の予防が可能です。連絡が取れなくなった相手に対しても、法律的な手段を通じて冷静に対応していくことが大切です。悩みが深いときは、専門家に相談し、ひとりで抱え込まないようにしましょう。