配達業務中のバイク事故は、収入減だけでなく精神的なストレスも伴います。特に新車であればなおさら悔しさが残るでしょう。本記事では、加害者側の過失による事故に巻き込まれた際の正しい対応と補償請求の流れについて、実例を交えて解説します。
事故直後にすべき対応
事故直後にまずすべきことは、落ち着いて安全を確保し、警察に通報することです。これは交通事故証明書の発行に不可欠で、後の保険請求や補償交渉の基礎になります。
次に、相手の情報(氏名・連絡先・ナンバー・保険会社)を記録し、現場写真や車両の損傷状態、事故直後のバイクの位置などをスマートフォンで撮影しておくと、証拠として非常に有効です。
保険会社とのやりとりと役割
事故の当事者が任意保険に加入していれば、多くの場合、相手の保険会社が賠償を担当します。ただし、自分自身も「弁護士費用特約」や「人身傷害補償特約」などに加入していれば、これを活用することで有利に交渉を進められます。
保険会社が対応してくれない、または納得のいかない対応を受けた場合には、交通事故に強い弁護士に相談するのも有効です。相談無料の弁護士も多く存在します。
損害賠償として請求できる内容
物的損害に加え、次のような項目も補償対象になります。
- 修理費用:実費請求が可能。新車の場合は「評価損」も請求できる可能性あり
- 休業損害:配達員として働けなかった期間の収入減も補填対象
- 交通費や代車費用:移動手段が失われた場合の実費
- 精神的苦痛(慰謝料):怪我があれば人身事故扱いとして慰謝料請求可能
特に配達業務で使っていたバイクであれば、「営業損害」として主張することも可能です。収入の証明書類(Uber Eatsや出前館の収入明細など)を保管しておきましょう。
配達中の事故で仕事・収入に影響が出た場合の対応
労働者として雇われている場合は、労災保険の対象となる可能性がありますが、業務委託(個人事業主)である場合は対象外です。その場合、相手方の保険会社や自身の保険、または民事での請求が頼りになります。
また、事故当日や直後の配達記録・売上記録を残しておくことで、「その日にいくら失ったか」を数字で説明しやすくなります。
加害者との直接交渉には注意
相手が「修理代は払います」と言ってくれた場合でも、書面で約束を残すことが重要です。口頭だけでは後に「そんなことは言っていない」とトラブルになるリスクもあります。
支払いの意思がある場合は、「示談書」を作成し、署名・捺印を交わすようにしましょう。内容に不安がある場合は、行政書士や弁護士に相談して作成してもらうと安心です。
まとめ:泣き寝入りしないための記録と行動
配達中の事故は精神的にも経済的にも大きな損害ですが、適切な対応をすれば正当な補償を受けることができます。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 事故直後は警察通報と証拠確保を徹底
- 修理費・休業損害・営業損害・慰謝料など多方面で請求可能
- 保険会社が頼りにならない場合は弁護士への相談も視野に
- 加害者とのやりとりは書面に残し、示談内容は慎重に確認
悔しさを残さず、しっかりと自分の権利を守る行動をとりましょう。